化粧をしたはずだったのに
私にしては珍しくマスク無しでスーパーに買い物に行った。
今多いと言われている「マスク依存」。私もその傾向がある。
マスクをつけていると気持ちが落ち着く。
この日も本当はマスクをしたい気持ちがあったが、家を出る前に玄関で靴を履いた瞬間、マスクを忘れた事に気が付いた。
取りに戻ろうか…一瞬迷ったが、この日は化粧もしていたし、戻って愛犬が騒いでもいけないと思い、マスクを諦めて家を出た。
そしてスーパーで買い物をしていると、何か恥ずかしい。
まるで服を着忘れているかのように落ち着かない。
誰も私を事など見てはいないのに、周囲の視線が気になって仕方がない。
やはりマスクを取りに戻れば良かった…早速私は後悔し始めていた。
さらに知人に会ったらどうしようという不安。
マスクをしていても会うと嫌なのは同じだし、久々に会った知人の前でマスクを外さないのも失礼な気がする。
なのでマスクをしていようがしていまいが、結局は同じなのに、自分が気付かないうちに相手に私の姿を見られる事が嫌だった。
そもそもマスク依存の人は自意識過剰なのだろうか。
そしてそのまま誰とも会う事なく、私はホッとして帰宅した。
その夜。
私は化粧を落とそうとしてクレンジングを手にしたまま、ふと目の前の鏡を見た。
え⁉まさか!
鏡に映る私はまさかのスッピンだった。
という事はこの日一日、私はスッピン顔を世間にさらしていたのか…。
知人に会わなくて良かったと心底思った。
それにしても…出かける前の私は「化粧をした」と思い込んでいた。思い違い、物忘れにも程がある。
自分の脳が劣化しているようで怖い。
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