母の日バーベキュー
今日は地域の行事でバーベキュー大会があった。
この日が近付くにつれ憂鬱な気分が膨らむ一方だったが、最近私はこの状況に慣れつつあると思っていた。
新興住宅街の子なし主婦。
居心地の悪さも10年、20年と経ってくると、「仕方ないかな」と思える日もある。
周囲の目も、「あの人はああいう人だから」と互いに干渉し合わなくなる。
少しはそんな風になれた気がしていたが、それは気のせいだった。
今日のバーベキュー大会は本当に辛かった。まるで針の筵。
バーベキューと言えば高齢の人の不参加は容認され、若者や私のような中高年ばかりが参加する事になる。
若い世帯は当然のように子連ればかり。
バーベキューでは子供の声が響き渡り、それが終われば今日は母の日という事もあり、子供達が母親に感謝を伝え、一人一人が母に1本ずつカーネーションを渡すという催しも行われた。
その事自体はどうでもいい。
皆のように「〇〇君頑張って!」とか、「〇〇ちゃん、可愛い~!」と笑いながら喜ぶ気持ちにもなれないが、私には子供がいないのに見ているのが辛い…などという気持ちもとうの昔に消えた。
そもそも子供達の顔を見ても誰が誰の子なのかも分からないし、その親も知っている顔がほとんど無い。
しかしいっその事、全員が全く知らない人ばかりならまだ良かった。
その中でも一部、同じ班の人や少し言葉を交わす人もいる。
そんな、時々私と一対一なら少し会話出来ていたような人も、あの母親達の集団の中に入れば、皆仲間だ。
それが余計に私を孤独にさせた。疎外感があった。
特に今日は私の周囲に座った人達が皆子供が小学生の頃からの付き合いで長いらしく、知った仲という様子。
何時間もずっと子供、学校、塾、近所の人の噂話に終始していた。
話題に入れずその場の居辛さといったら……。
消えてしまいたかった。
近所の人の噂話を聞いても、私には誰の事を言っているのかさえ分からなかった。
自分がいかに普段近所付き合いをしていないかを思い知らされた。
しかし、それほど近所の噂話をしたいのか?もっと近所の人と仲良くなりたいのか?と聞かれればそうではない。
時々こうして別世界の人達と時間と場所を共有するのが辛いだけ。
やはり母親グループの中に混じるなんてとても無理。隣に座っているだけでもストレス。
それなのにただ同じ地域に住んでいるというだけで、足並みを揃えて行事に参加しなくてはいけないなんて…苦痛でしかない。
子なし主婦でも近所や母親集団とうまく付き合っていける人が羨ましい。
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