自分の孤独死を覚悟する
義父母の家の近所の人が亡くなった。
70代の一人暮らしの女性だ。
2軒隣の人なのですぐ近くという事もあり、義母はショックを受けている。
単に隣人が亡くなったショックもあるだろうが、それ以上にショックを受けている理由は、その老人が自宅で一人倒れて亡くなっており、発見された時には一週間以上経っていた事だ。
義母は、
「いい人だったのに」
「一人で一週間も冷たくなっていたなんて可哀そう」
そう言いながら泣いていた。
亡くなった女性はつい最近まで夫がいて、夫婦二人暮らしだった。
しかし少し前にその夫が病気で亡くなり、その後を追うかのように今回亡くなっていた。(死因は心筋梗塞による心臓発作らしい)
私も時々顔を見かけた事があるが、まだ老人と言うには若すぎる程の雰囲気の女性だったので驚いた。
本当に人はいつ何があるか分からない。
少し落ち着くと、義母は予想通り自分の事を心配し始めた。
「お父さんが亡くなったら私も一人で倒れて誰にも気付かれないかもしれないわ」
「そんなの私も一緒ですよ、お義母さん」
私がそう言い返すと、
「ね?だからみんなで一緒に住むのが安心よね?」と言われた。
毎度同じ展開で、この日は何とか聞き流した。
しかし内心は私も義母と同じような気分だった。
自分も最後にはあんな風になるのだろうかという不安。そして諦め。
そればかりは仕方がない。誰にでも死はやってくる。
その死に方が孤独なのか、人に囲まれているかの違い。
どうしても一人で死ぬのが怖いなら施設に入るしかない。
それが嫌なら孤独死を受け入れるしかないのだ。
そう自分に言い聞かせているが、この先年老いていく自分が本当に受け入れられるのかどうか…自信がない。
よく読まれている記事