「そうですね」という常識
義父母の家の花壇を手入れする事になった。
義母は花が好きだ。
だが足が悪い為になかなか自分で手入れが出来ない。
以前は義兄の妻がやってくれていたが、今はそれが私の仕事となった。
苦痛ではない。
むしろ義母の世間話の相手をしているぐらいなら、土を触っている方がずっと楽だ。
この日、義母を連れてホームセンターに行った。
そして義母が望むまま、土や花の苗を選んだ。
レジに持って行き、支払いを済ませようとした時、レジ担当者がタオルを持ち出し、レジ台を拭いた。
見るとそこにたくさんの土がこぼれている。
一瞬なぜか分からなかったが、すぐに私は言った。
「もしかしてこの土の袋、どこか破けていました?」
今購入した土の袋が破けており、そこから土がこぼれ出したのかと思ったのだ。
するとそのレジ担当者、
「そうですね、破れていたので少し土がこぼれてしまいましたね」と言っただけで、そのままレジ袋にその土を入れた。
え?それだけ?
普通、この場合は新しい商品に交換するのではないだろうか?
私が立ち尽くしていると、隣の義母がすかさず言った。
「それはあなた、交換するべきでしょう!」
義母は厳しい口調でそのレジ担当者に説教を始めた。
「あなたは商品が壊れていても、壊れていますねって言うだけなの⁉それでよく販売員をされていますね!」
土ごときで大騒ぎして恥ずかしかったが、この場合は義母が正論だ。
義母に説教された店員は慌てて新しい土袋を取りに行き交換してくれた。
帰り道、義母は呆れたように言った。
「最近の若い人は……常識が無いにも程があるわ」
確かに今回は私も驚いた。
ただ最初、相手が平然としていたものだから、今はそれが常識なのかと思ってしまったほど。
何だか隣でまだ怒っている義母が頼もしく思えた。
前回の猫保護の記事に多くのコメント、アドバイスありがとうございました。参考になったり、私の愛犬への心遣いまでとても嬉しかったです。
少し前のガスコンロの記事には、電池交換のアドバイスを頂きありがとうございました。ですがそれでは改善は難しそうです。
その他のコメントも全てお返事出来ずすみません。でもいつもありがとう。
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