万引き家族
先日観た「未来のミライ」が期待外れだった私。(→未来のミライ)
今回アカデミー賞にノミネートされているもう一つの作品、「万引き家族」。
とても話題になっていたし、公開当初はパート先の主婦や義母までもが、「私も観たい」と騒いでいたので、逆に私は抵抗があった。相変わらずの天邪鬼。
それに私は是枝監督の作品が苦手だった。
重いというか、リアル過ぎるというか。
全ての作品を観た訳ではないが、「誰も知らない」「歩いても歩いても」「奇跡」「そして父になる」「海街diary」あたりは一応最後まで観たように思う。「三度目の殺人」に至っては最後まで観る根気がなく途中で挫折した。
あとテレビドラマの「ゴーイングマイホーム」を観た時も、「やっぱり苦手だわ」と再確認した思いだった。(しかし苦手と言いながらも意外に観ているな、私)
どの作品にも共通した空気感があり、私は多分、その家族とは何か?人との繋がりの大切さとは?とストレートに問われているような感じが苦手だった。
いつも親から「家族、繋がり」と言われている為、もうお腹いっぱい、これ以上考えたくないのだ。
なので「万引き家族」も、タイトルや予告から既にその「重さ」を感じ、避けていた。
しかし遅ればせながら今頃になって「万引き家族」を観た。
なぜ気が向いたのかは自分でも分からないが、それでも期待はしていなかった。
一応話題だから一度は観ておこうぐらいの気持ちだった。
だが結果……
号泣した。
ほんの少しでも設定やセリフ、ストーリー展開が違えば、いつも通り「重い疲れる映画」という感想になったかもしれないが、この「万引き家族」は私の心の小さな隙間にフィットした。
安藤サクラさんの演技が凄い。
皆が絶賛しているのが分かる。
演技らしくない演技。
血の繋がらない子へかける思い、母親になれない思い、全てが表情に現れていた。
「未来のミライ」と同じ家族の物語。
だけど真逆の印象の映画。
アカデミー賞受賞とはならなかったが、私の中ではずっと心に残る映画となった。
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