私が羨ましい?
義父母の家で久々に義妹と会った。
義妹は本当に滅多に実家に顔を出さない娘だ。そして義母もそれを望んでいる風には見えない。
その母娘関係は冷めているように見えるが、それが私には羨ましかったりする。
この日は義妹と少し話した。
義姉の事だ。
「お義姉さん、元気なのかな」
私がそう義妹に聞くと、
「さぁ…出て行った人なんだからどうでもいいわ」と返ってきた。
そして義妹にしては珍しく、
「兄が可哀想よ」と、上の兄を思う感情を表に出した。
確かに義姉はこの家族の誰とも打ち解けていなかった。それは私も同じだけど。
ただ、義姉が義母や義妹と言い争っている場面を何度か見た事がある。
互いに自己主張が強い為に、ぶつかり合う事も多かった。
「母はころりさんの方が合うと思うわ」
義妹が言った。
そう言われても全く嬉しくない。気が重くなるだけ。
そして義妹が唐突に言った。
「ころりさん、もう鬱は治ったんでしょ?」
「え?……まぁ…」
何と答えればいいのか。自分自身でも治ったのか継続中なのか分からない。そもそも鬱に完治などという言葉が当てはまるのか。
私が黙っていると義妹が続けた。
「私だって同居しているんだから色々あるわよ。でも気にし始めるとキリがないわ」
返す言葉がなかった。
愚痴ばかり言いながら、私はまだ同居はしておらず、時々2~3時間顔を合わすだけだ。夫の親と同居している義妹から見れば楽な嫁に見えるだろう。
「ころりさんが羨ましいわ。兄にも守られているし」
義妹はそんな事も言っていた。
だが親の介護問題では私は夫に守られていると感じた事はなく、実は今まで義姉に守られていたのではないかと思う。
こんな気分が重くなる会話も義姉は一人で受け止めていたのかもしれない。私が鬱に隠れている間に。
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