子供がいるから頑張れる
遅れて出勤した一人のパート主婦が、そのニュースを皆に知らせた。
堀ちえみさんのニュース。
「可哀想よね」
「大変だと思うわ」
昼休憩に集まった女性達はその話題で持ち切り。
堀ちえみさんと近い年代の女性が多い為、皆他人事ではない。私もその一人。
もし自分だったら立ち向かえるか?
とても自信がない。
だが堀ちえみさんは前向きで強く、本当に心から尊敬する。
女性達が言った。
「何より子供さんの事を思うと涙が出るわ」
「でも子供の為なら頑張ろうと思う気持ち、分かる」
そうだろう。
子がいない私だが、母とはそういうものなのだろうと想像は出来る。
「それに子供がいる事が支えになっているでしょうし」
「理解できる年齢の子で救いよね」
確かに。
子を悲しませて不憫だと思うと共に、逆に子に励まされ勇気づけられる事もあるだろう。
私は彼女達の話を、いつものように隅に座りただ黙って聞いていた。
すると一人の主婦が言った。
「そう思うと子供って宝よね。私、もし自分に子供がいなくて病気になったら、絶対治療なんてしないわ。生きている意味がないもの」
その瞬間、急に悲しみが襲ってきた。
何だか自分の人生がとても虚しく思えた。
そんな些細な事を気にするべきではない。
今ある健康に感謝するべきだ。
病気の方から見れば私の感情はなんて小さくくだらないのだろう。
だけど……。
子供がいるから頑張れる。
子供の為に長生きしたい。
それが女性にとっての生きる意味なら、子なし主婦は何の為に生きているのだろう。
病気になった時、何を支えにすればいいのだろう。
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