罰当たりな嫁
義母に仏壇用の花を買ってきて欲しいと頼まれた。
義母は仏壇の花を欠かさない。
それも花立は一つではなく、仏壇内に二つ、両脇に中サイズの花瓶が二つ、さらに床には大きな花瓶が二つと、計6個も花瓶がある事になる。
それで義母は、「花代がかかる」と愚痴る事がある。
「花瓶を減らしては?」
私がそう言うと、「そんな事をしたらご先祖に申し訳ない、罰当たりよ」と言う。
だが経済的に余裕が無く、私達にも「お金が無くなったら助けてね」と言う義母。
そんな事を言う前に、せめて花代を節約してはどうなの?と思ってしまう。私は罰当たりか。
だが義母に仏花の購入を頼まれると「嫌です」とも言えず、義父母の家に行く前に花屋に寄った。
そして花を買おうとしたのだが……やはり高い。
これを定期的に維持していこうとすると、結構な負担だ。
仏壇の中の花立2つだけで十分なのに……。
そう思いながらも、義母の指示したセット数を購入した。
義父母の家に着いた後、義母が仏壇に花を供えるのを手伝い、少し雑談をした。
しかし雑談をしながらも私の頭はその事でいっぱい。
花代を私に返してくれるのかという事。
義母の方から、私が支払った花代を支払うと言ってくれるのを待っていた。
だが義母は無駄話ばかりで、一向に花代の事を言わない。
忘れているのか、それとも私が払うのが当然だと思っているのか……。
結局私は花代を請求する事も出来ず、モヤモヤした気分のまま義父母の家を出た。
夜、帰宅した夫に、「あなたの親から花代を貰えなかったわ」と言うと、夫は呆れたような口調で言った。
「ころりがそんなケチな事言うなんて信じられないよ。罰当たりだな」
……やはり親子。同じような事を言う。
私だけが納得出来ていない。
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