ツイッターをやっていますか?
「ころりさんはツイッターをされていないのですか?」
そう聞いてきたのはパート先の人ではない。
近所の人でも知人でもなく、その質問をしたのは心療内科の医師だった。
「ツイッター……そういうのは苦手で…」
私がそう言うと、医師は、
「案外楽しいものですけどね。ストレス解消にもなりますし」と笑った。
このところまた不眠が続き、眠ったとしても熟睡出来ない。
ふと時計を見れば、まだベッドに入ってから1時間しか経っておらず、朝まで悶々とする。
仕方なく安定剤を服用する日もあるが、それはそれで悪夢にうなされ、自分の叫び声で目覚める事がある。
そんな事を心療内科の医師に相談すると、出来るだけ日々思った事を外に出す事が大切だと言われた。
小さくくだらない事だ。
人に言う程の事ではない。
だから自分の中に閉まっておこう。
自分ではそう思ったつもりでも、その小さなストレスの積み重ねが不眠や悪夢という形で悲鳴を上げる。
小さな事だからこそ、ため込まない事が大切、そう医師は言った。そして、
「例えばツイッターなんか良いですよ」
そう提案してきたのだ。
まさか心療内科の医師に勧められるとは思わなかった。
だが正直なところ、医師の意見には賛成出来ない。
私はツイッターやフェイスブックをやった事はないが、あれらはそもそも、人との繋がりを求める人の為のツールではないのか。
淡々と自分の言葉を吐き出すだけならブログで十分だ。
私は医師に言った。
「ブログなら以前やっていた事があるのですが…」
現在やっていますとは言えず、少し誤魔化した。すると医師は
「ツイッターの良いところは、ブログのように文章を考えず、思った事を端的に率直に呟ける事です」と言った。
確かに……。
ブログで自分の悩みを書いているうちに、更に泥濘にハマってしまう事がある。
複雑に考えすぎて、そもそも何が嫌だったのか分からなくなる事も。
何も考えず、文章にせず、ただ呟く。
それもリアルタイムで、今思った事を手軽に。
そんな良さがツイッターにはあるのかもしれない。
しかし……
私のような根暗な呟きは、やはりツイッター向きではないように思う。
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