ヤクルトレディの断り方






インターホンのモニターには近所の主婦が映っていた。

何だろう。
また自治会で何かイベントを行うのだろうか……憂鬱な気分でドアを開けた。

とりあえずその主婦一人だった事にホッとする。
モニターに映っていなくても、ドアを開ければ2~3人立っている事も多いから。

その主婦は手に持っていた物を私に差し出した。

「これ、良かったら飲んでくれませんか?買いすぎちゃって」

見るとそれはヤクルトだった。

ヤクルトは好きでも嫌いでもないが、自分で購入した事はない。ただ、わざわざ持ってきてくれた人に断る理由もなく、ここは有難く受け取っておく事にした。

「わ~、いいんですか?嬉しいです。ありがとうございます」

大袈裟に喜んでみる。
本音を言えば、嬉しいという気持ちよりも、またお返しをしなくてはならないのが負担だったが、これぞ近所付き合い、笑顔を作った。

「ご迷惑でなければいいんだけど」

そんな事を言われればさらに私は、「そんな事ないです。本当に好きですので」と、相手が喜ぶような事を無意識に言ってしまう。これが悪かった。








それから2週間程経ったある日、近所の主婦3人に声をかけられた。
その中には先のヤクルト主婦がいた。

そして、「ころりさん、今ヤクルトの販売が来ているんだけど、一緒に購入しませんか?」と言われた。確かに少し離れた場所にヤクルトレディが立っている。

どうやらその3人の主婦はヤクルトを毎週定期購入しているらしい。

私は焦った。

「ヤクルトは飲まない」という言い訳は使えない。

先日その主婦にヤクルトを貰い、嬉しいとまで言ってしまったのだ。

案の定、ヤクルト主婦が言った。

「この前、ころりさんがヤクルトを好きだって言っていたから」と。

自分で蒔いた種。
自分で自分の性格を恨んだ。なんて世渡り下手なのだろう。

私は何とか理由を絞り出し、「……でも金欠で」と経済的理由にした。

しかしいつの間にか近寄って来ていたヤクルトレディが、「毎週ご購入頂かなくても、必要な時だけ購入して頂けませんか?」と言った。

これ以上どう断ればいいのか分からない。
とりあえずその日は購入せずに済んだが、これから頻繁に家に来られそうで困った。
しかし強く断り、これ以上近所の主婦達との溝が深まるのも辛い。

元々溝があるのだから割り切ればよいものを、それが出来ない自分がますます嫌になった。






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Posted byころり
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