親への愛情の温度差

正月から義父は目の調子が悪いらしく、「痛い」と言っていた。
休日急患の病院に行こうかと言ってみたが、「様子をみる」と言う義父。
正月明けの病院
義父は口数が少ないが大人しいという訳ではない。
どちらかと言えば頑固者。
自分の事は自分が決める、他人は口を出すなという典型的なオヤジタイプ。
心配性の義母は隣で、しつこく病院に行く事を勧めていたが、「うるさい、黙れ!」と一喝され口をへの字に曲げた。
しかしその後も目の不調は治らないらしく、今日も朝から義母から連絡があり、「本人も病院に行く気になった」と言う。仕方なく私と夫は朝から義父母の家に行った。
だが調べてみると、義父のかかりつけの眼科は今日は休診だった。
正月明けだし今日は土曜日。まだまだ休診の病院が多い。
そんな中でもいくつか午前中に診察している眼科があった為、義父にその病院でも良いかと聞くと、「いつもの病院でないとダメだ」と言う。
いや、それ、休診ですから。
何度言っても理解しているのかいないのか、「いつもの病院がいい」と繰り返す義父。
親を想う気持ち
困った。
「それなら月曜日になりますよ?」と言うと、結局「それでいい」と言う。
本人がそれでいいなら……私はそのまま放って早く帰りたかったが、納得出来ないのが義母と私の夫だ。
「そんなのダメですよ!月曜日までに何かあったらどうするの?今すぐ別の病院に行くべきです」と心配する気持ちを抑えられない義母。
「そうだよ。今すぐに病院に行こう!」と夫も必死で説得している。
私がその様子を黙って見ていると義母が私に、「ころりさんもお父さんを説得して下さいよ」と言い始めた。
……本人がいいって言うのだから放っておきましょうよ、そう言ってしまいたかったが、冷たい嫁と言われるのが怖くて言えなかった。
その後も義父の気持ちが変わる事はなく、そのうち機嫌が悪くなりいつもの、「うるさい!」で義母も夫も黙った。
帰宅後、夫は父親の事が心配で仕方がないらしく、「大丈夫かな、心配だな」と一人繰り返していた。
こういう親子愛についていけない。
きっと私は自分の実親であっても、彼らほど気持ちを入れられないだろう。
私は何か欠けている。
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