おみくじの大吉で運を使い切る?

1日4日。
世間では日常を取り戻し、近所でも朝から会社に出勤する人達が私の家の前を通り過ぎて行った。
しかし私達は初詣に行く事にした。
タイミングが合わずにまだ行っていなかったのだ。
今年のおみくじ
夫は午後から出勤する為、その前に近くの神社に行こうと誘った。
私は信心深い訳ではないが、なぜか初詣だけは行かないと落ち着かない。もしこの1年に何か悪い事が起これば、「初詣に行かなかったからだわ」と思ってしまいそうで。
4日なので空いていると思っていたが、意外に神社は人で溢れ返っていた。
人混みが苦手なのは私も夫も一緒。
お詣りを済ませ、おみくじを買う。
今年はラッキーな事に夫婦揃って大吉だった。こんな事は初めて。
大吉で始まる一年
今年はそんな運の良い年になるのだろうか。
くじを見た瞬間は夫も私も喜んだがそのうち、「今年で全ての運を使い切って、後は落ちていくだけと思ったら怖い」という会話になった。
どこまでもネガティブな夫婦。救いようがない。
その後、歩いていると夫が女性に声をかけられた。
どうやら知人らしい。
しまった。私はスッピンだった。髪もボサボサだった為、ニット帽を被り、眼鏡にマスクという完全に怪しい風貌。
本来なら笑顔で、「いつも主人がお世話になり……」と挨拶するべきだと思うが、この風貌で顔を晒す勇気がなかった。
私はマスクをしたまま会釈した。
失礼か。風邪を引いているフリをしようか。
しかし頭の中で焦る私をよそに、その女性は夫と楽しそうに話している。
私と全く違うタイプの明るく元気な人。大きな笑い声がその場に響き渡る。
なぜか見ているだけで気分が落ち込んだ。
私は無言でポケットの大吉のくじを握りしめた。
相変わらずの私だった。
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