深夜の別世界
最近定期的に読んでいるブログがある。
独身女性の一人暮らしブログ。
仕事と家の往復で派手な暮らしではないが、猫を飼い慎ましく暮らしている。
収入も貯蓄もそう多くないらしいが、家賃を一生払い続けるよりも経済的だと思い、中古の分譲マンションを購入したらしい。
しっかりしている。
読んでいていつもそう思う。
私と同年代であるその女性は、友人と呼べる人はいないらしい。
そのブログにも知人、友人の話題は一切登場せず、同僚の事さえ書かれていない。
登場するのは自分と猫、そして生活風景のみ。
だが全くネガティブでも引きこもりでもなく、毎日を淡々と生きている。
こんな本が面白かった、この映画が良かった、今日食べたフルーツが美味しかった――そんな小さな事を楽しく書ける人。それがとても羨ましい。
そのブログだけでなく、私はいつの頃からか、独身女性が一人暮らししているブログを好んで読んでいる事に気付いた。
いつか自分もそうなるから、参考に――と思っている訳ではない。
深い意味はなく、ただ彼女達のブログを読んでいるとなぜか癒されるのだ。心がとても落ち着く。
一人でもいい。孤独を怖がらなくてもいい。そう感じさせてくれるのかも。
それになぜか、私が読んだ彼女達のブログには、親の事が書かれていない事が多い。
「この人、親がいるのだろうか」
「介護なんて言われないのだろうか」
不思議なぐらい、ブログの中には自分以外の人の存在感がない。
それがいい。
今の私は真逆で、実親、義親の両方から介護の話題ばかりされて圧し潰されそうな毎日だ。
だからこそ、深夜に読むそれらのブログで、一瞬だけでも親から縛られない世界に浸る。
私もあんな風に一人で強く暮らせたらいいのに。
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