嫁が言うから





掃除機を買う為、義母を連れて家電量販店に行く事になった。

足が悪く歩くのが遅い義母。
広い量販店に連れていくのは正直気が重く、私は言った。

「私一人で買って来ましょうか?事前にカタログを貰ってきて決めましょう」

だが義母は「自分も行く」と言い譲らない。

「ころりさんが使うのだから、自分の好きなものを選んで下さいよ」

と言っていたあの言葉は本当に何だったか……。
自分で見て決めないと気が済まないのだ。

嫁の決定権


家電量販店の掃除機売り場に行くと、手前にはズラリとコードレスのスティックタイプの掃除機が並んでいた。

すぐに店員が近寄ってきて、「掃除機をお探しですか?」と声をかけられた。

そしてこちらから何も言わなくても、次々と掃除機の説明をしてくれる。

店員はやはり流行りのスティックタイプを押してきた。

「最近はお年寄りでも持てる軽いタイプも多いです」と言い、「一度持ってみて下さい」と義母にその掃除機を持たせた。

コードレス掃除機に否定的だった義母なので、そこで断るかと思えば素直にその掃除機を手に取り、

「あら、本当に手軽ねぇ」と、まさかの笑顔で嬉しそう。




この店員の売り込みが上手いのだろう。
その後も手入れのし易さを披露したり、ハンディにして布団掃除も出来る事を説明したり……

義母はそれを愛想よく聞き、その一つ一つに「凄いわねぇ」と驚いて見せた。
すっかり義母もコードレス掃除機に傾いた――と思ったのだが……。

義母は笑顔のまま店員に言った。

「とても良さそうだけど、嫁がやっぱりコードの付いたタイプが良いって言うんですよ」

えぇ⁉

その言葉に耳を疑う。
逆でしょ逆!それはあなたの希望でしょ!

店員は明らかにがっかりした様子だったが、その後も丁寧に他の掃除機の説明もしてくれ、結局無難そうなキャニスター型の掃除機を買う事になった。

それにしても……。
義母の外面には驚いた。

自分の希望を言えばいいだけなのに、わざわざ「嫁が」と私のせいにするなんて。
帰宅途中に私が無言でいると、義母はどこか罪悪感があったのか、

「あんなに親切に説明をしてくれたら、断るのも難しいわよね」と、私の顔色を伺うような視線でこちらを見た。

これだけしっかりしているのなら、自分一人で買い物に行って欲しい。





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Posted byころり