義姉からの連絡
スマホが鳴った。
義母か実母か。
電話が鳴るのはその二人のどちらかしかいない。
そう思い憂鬱な気分で画面を見ると、そのどちらでも無かった。
義兄の妻だ。
驚いた。どうしよう、出るべきか?何の用だろう。
義姉は二か月程前に子供を連れて家出したと聞き、それ以来どうなっているのか分からない。
直接会ったのも今年の春頃だっただろうか……かなり長い間会話していない。
戸惑っているうちに電話が切れてしまった。
何を言われるのだろう。
ネガティブな私は何か非難される想像ばかりが膨らむ。
「今まであなたが介護をせず私にばかり押し付けていたからこうなったのよ!」
そんな言葉を想像した。
私の中に罪悪感があるから。
しばらく着信履歴が表示されたスマホを眺めていたが、意を決して電話した。
ドキドキする。
緊張で手に汗が滲んだ。
「あ、ころりさん?」
電話に出た義姉は予想外に明るい声だった。
「すみません、さっきは電話に出られなくて……」
「いいのよ。こちらこそごめんね急に」
何を言われるのかと構えていた私だが、義姉は突然私に謝り始めた。
「大変でしょう?親の事。主人からころりさんが通ってくれているって聞いたわ。こんな事になってすみません」
まさかの謝罪に驚き、「いえ、そんな……」と戸惑っていると、義姉が言った。
「ころりさんは精神的に大変だと思うから、出来るだけ私が頑張れば良かったんだけどね」
私が鬱病だという事は、義姉と直接話した事はなかった。
だがこの日、義姉の話を聞いていると、今まで私の精神的な問題をどれ程陰で気遣ってくれていたのかを実感した。
私の知らぬところで、義母との関係に一人耐えてくれていたのだ。
気の利いた言葉も言えぬまま、私はただ義姉の言葉を聞くばかりで電話が切れた。
義姉は今後の事には触れず、離婚するのかどうなのか全く分からない。
相変わらず会話の中では気の強さを感じる義姉で、私とは合わないと思う。
だけど戻ってきて欲しい。
電話に出た義姉は予想外に明るい声だった。
「すみません、さっきは電話に出られなくて……」
「いいのよ。こちらこそごめんね急に」
何を言われるのかと構えていた私だが、義姉は突然私に謝り始めた。
「大変でしょう?親の事。主人からころりさんが通ってくれているって聞いたわ。こんな事になってすみません」
まさかの謝罪に驚き、「いえ、そんな……」と戸惑っていると、義姉が言った。
「ころりさんは精神的に大変だと思うから、出来るだけ私が頑張れば良かったんだけどね」
私が鬱病だという事は、義姉と直接話した事はなかった。
だがこの日、義姉の話を聞いていると、今まで私の精神的な問題をどれ程陰で気遣ってくれていたのかを実感した。
私の知らぬところで、義母との関係に一人耐えてくれていたのだ。
気の利いた言葉も言えぬまま、私はただ義姉の言葉を聞くばかりで電話が切れた。
義姉は今後の事には触れず、離婚するのかどうなのか全く分からない。
相変わらず会話の中では気の強さを感じる義姉で、私とは合わないと思う。
だけど戻ってきて欲しい。
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