近所の主婦からの勧誘
私の住む住宅街は専業主婦が多い。
子育て世代が多く、子供が学生のうちには家に居てあげたいとか、子供が成長して家を出てもブランクが長すぎて今更働く気がないとか、そんな声を聞く。
なのでその主婦も専業主婦だと思い込んでいた。
「こんにちは」
振り返ると近所の主婦がこちらを見ていた。
庭の草抜きをしていた私は立ち上がり、「お久しぶりですね」と彼女の方を向いた。
その主婦とは以前自治会役員で一緒になった事がある。
「今日はお仕事休み?」と聞かれ、そうだと答えたがそこで終わらず、「パート?毎日働いているんですか?」と突っ込んで質問された。
週に2日のパートだと説明すると、彼女は大袈裟に驚き、「そうなの⁉もっと働いているのかと思っていました」と言う。
確かに私は家にいる時はほとんど外に出ず、家の中で静かに引きこもっているから留守だと思われているかもしれない。
しかしなぜこの主婦が私の働き方にそこまで興味があるのか不思議だった。
そう思いつつ話していると、どうやら彼女も最近働き始めたらしい。
「今まで専業主婦でいた時間が馬鹿みたい。無駄な時間を過ごしましたよ。もっと早く働けば良かったです」と言う。
私は彼女に合わせて言った。
「そうですよね、外に出ると気晴らしにもなりますしね」
「とてもいい職場なんですよ。人間関係もいいですし、仕事も遣り甲斐があって」と彼女は嬉しそう。
「へぇー、羨ましいです」
と、そこでその主婦が言い始めた。
「ころりさんも週に2日なんて勿体ないですよ!」
私が曖昧に笑いながら「でも家の用事も色々ありますし……」と言ってみたが彼女に聞こえていないのか、
「良かったら私の今の職場を紹介しましょうか?」と言い始めた。
これは雲行きが怪しい方向に……。
これ以上深入りしない為にも、私は必死に断った。
「いえいえ、私は介護で忙しくてとても毎日は無理ですので」
それでも彼女は引き下がらない。
「私の職場にも介護しながらフルタイムで働いている人はいますよ?介護サービスは利用しています?」
困った。
どうしてここまで追い込んでくるのだろう。
普段は話す事もなく、顔を合わすのでさえ何年に一度というぐらいなのに。
その後もしつこく誘われたが、何とか断る事が出来た。
しばらく家の外に出ないでおこう。
またあの主婦に声をかけられるのが怖いから。
「ころりさんも週に2日なんて勿体ないですよ!」
私が曖昧に笑いながら「でも家の用事も色々ありますし……」と言ってみたが彼女に聞こえていないのか、
「良かったら私の今の職場を紹介しましょうか?」と言い始めた。
これは雲行きが怪しい方向に……。
これ以上深入りしない為にも、私は必死に断った。
「いえいえ、私は介護で忙しくてとても毎日は無理ですので」
それでも彼女は引き下がらない。
「私の職場にも介護しながらフルタイムで働いている人はいますよ?介護サービスは利用しています?」
困った。
どうしてここまで追い込んでくるのだろう。
普段は話す事もなく、顔を合わすのでさえ何年に一度というぐらいなのに。
その後もしつこく誘われたが、何とか断る事が出来た。
しばらく家の外に出ないでおこう。
またあの主婦に声をかけられるのが怖いから。
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