答えは決まっている
義母がデパ地下に行きたいと言うので付き添った。
明日来客があるらしく、茶菓子を買いたいと言う。
「良ければ私が適当にスーパーで買ってきますよ?」
そう言ってみたが、デパ地下の菓子でないとダメらしい。
「どの商品と言って頂ければ、私が一人で買ってきますけど」
とも言ってみたが、自分が見て決めたいらしい。
足の悪い義母を連れて、人混みを歩くのは大変だ。
ノロリノロリと動きが遅くなる為、周囲に気を遣う。
だがそれを本人に言う訳にもいかず、結局義母と一緒にデパートに行く事になった。
予想していた通り、デパ地下は女性客で賑わっていた。
午前中に行けばよかったのだが、義母が病院に行った帰りに寄りたいと言う為、結局デパートに着いたのは夕方近くになっていた。
活気のある店内を義母の手を取りゆっくり歩く。
義母は和菓子売り場の前で言った。
「やっぱりここの饅頭がいいかしらね」
「そうですね」
適当に相槌を打つ。
「でも明日は娘さんも一緒に来るらしいわ。若い人なら洋菓子の方がいいのかしらね?ころりさんならどう?」
義母にそう聞かれ、私は少し考えてから言った。
「私は焼き菓子が好きなので……パウンドケーキとかマドレーヌとか。日持ちするので翌日でも美味しいですしね」
すると義母は
「嫌だわ!そんなの油っぽい!バターだらけでしょ?」と顔をしかめ、「やっぱり和菓子でいいわ!」と言った。
……それなら最初から聞かないで欲しい。
その後好きな和菓子を一人で決めるのかと思えば、また義母が私に聞く。
「この饅頭がいいかしら?それともこの羊羹もどうかしらねぇ?」
「はぁ……」
私が気のない返事をすると、義母は
「アドバイスして下さいよ!折角一緒に来ているんだから。ころりさんはどちらがいいと思う?」
そう言われて私はどうでもいい気持ちで答えた。
「では羊羹ですかね」
「ふーん、そう。そうね、いいかもね」
その後、結局義母が購入したのは饅頭だった。
義母の答えは質問する前から決まっている。なのになぜ私に聞くのか分からない。
「嫌だわ!そんなの油っぽい!バターだらけでしょ?」と顔をしかめ、「やっぱり和菓子でいいわ!」と言った。
……それなら最初から聞かないで欲しい。
その後好きな和菓子を一人で決めるのかと思えば、また義母が私に聞く。
「この饅頭がいいかしら?それともこの羊羹もどうかしらねぇ?」
「はぁ……」
私が気のない返事をすると、義母は
「アドバイスして下さいよ!折角一緒に来ているんだから。ころりさんはどちらがいいと思う?」
そう言われて私はどうでもいい気持ちで答えた。
「では羊羹ですかね」
「ふーん、そう。そうね、いいかもね」
その後、結局義母が購入したのは饅頭だった。
義母の答えは質問する前から決まっている。なのになぜ私に聞くのか分からない。
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