着信音が怖い
電話の呼び出し音、メールの着信音。
それらが鳴る度にビクッと体が反応する。
何も鳴らない間も頭のどこかで、「いつ鳴るのか、今にも鳴りそうだ」そう気にしている自分がいて、心からリラックス出来ない。
またスマホが鳴った。
義母か実母か。
友人がいない私にとって、日中に連絡があるのはこの二人のどちらかしかない。
画面を見ると実母からだった。
ここ数日続けて着信があり、返信せずに放置していた。
放置すればする程、母の怒りが想像出来て声を聞く気になれない。
しかし昨日、固定電話の留守電に
「急用だから電話して!」とイライラした声が入っていたので、今日こそこちらから連絡しないと……と思っていた矢先だった。
「はい……」
私がオドオドと電話に出ると、
「やっと出た!どうなってるのよ⁉留守電聞かなかったの⁉」と猛烈な勢いで捲し立てる母の声。
「ごめん……今かけようと思っていたところ」
私の言い訳を聞いているのかいないのか、母は不機嫌な声で続けた。
「もし親が急病で倒れた連絡だったらどうするの⁉私の周囲の人達に迷惑がかかるでしょ⁉」
……。
親が急病で倒れたなら、親が電話をかけてこられるはずがない。
そう思ったが母の怒りをこれ以上刺激しないよう、ただ黙って聞いていた。
「あのね、お父さんが病気なのよ。入院しているの」
突然母にそう言われ、咄嗟に頭が回らなかった。
お父さん?どこの?誰の?
私はほとんど父と暮らした記憶が無い為、「お父さん」と言われてもすぐにピンとこない。
「あなたのお父さんに決まってるでしょ!」
母にそう言われ、ようやく理解した。え?そうなの?
というか、なぜ母がそれを知っているのか?母は父と付き合いが無いはずだ。
先日も父から私に電話があったことを話すと母は驚き、傷ついた様子だったのに。
→「愛情不足な親子」
私は言葉が出なかった。
何か間違った事を言ってしまえば、また母を傷つけたり怒りを買ってしまいそうで、どう反応すればいいのか分からなかった。
母は言った。
「私ね、お父さんの付き添いに行ってるの」
その声はどこか誇らしげだった。
――続きます。
そう思ったが母の怒りをこれ以上刺激しないよう、ただ黙って聞いていた。
「あのね、お父さんが病気なのよ。入院しているの」
突然母にそう言われ、咄嗟に頭が回らなかった。
お父さん?どこの?誰の?
私はほとんど父と暮らした記憶が無い為、「お父さん」と言われてもすぐにピンとこない。
「あなたのお父さんに決まってるでしょ!」
母にそう言われ、ようやく理解した。え?そうなの?
というか、なぜ母がそれを知っているのか?母は父と付き合いが無いはずだ。
先日も父から私に電話があったことを話すと母は驚き、傷ついた様子だったのに。
→「愛情不足な親子」
私は言葉が出なかった。
何か間違った事を言ってしまえば、また母を傷つけたり怒りを買ってしまいそうで、どう反応すればいいのか分からなかった。
母は言った。
「私ね、お父さんの付き添いに行ってるの」
その声はどこか誇らしげだった。
――続きます。
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