息子と同居する予定
義父母の住む地域は昔ながらの古い家が立ち並び、どれも老朽化が進んでいる。
今年の台風でも、義父母の家は何とか無事だったものの、近所の家の中には屋根が飛んだり崩れたりして、その後修理する事もなく家を出て行った人も少なくない様子。
住民たちも義父母と同年代の人が多く、近所付き合いも深い。
互いの家族の勤め先や生活状況を把握し合っている様子を知った時、私は驚きゾッとした。
私の事もどこまで話されているか分からない。
先日義父母の家に行った時、丁度隣人が来ていた。
義母は慣れ親しんだ様子でその隣人と会話していた。
「近所の人がどんどん減っていきますね」
「私達もいつまでもこんな古くて不便な場所に住んでいられないですよ」
聞いていると、二人でこの古い地域から出ていきたいと共感している様子だった。
「隣の班の佐藤さん、高齢者向けのマンションに移られたでしょう?一体いくらかかったのかしら?」
「嫌ですよね、歳を取ると次々とお金が要る事ばかりで」
そんな会話がしばらく続いていたが、次に隣人が探るように言った。
「お宅はいいじゃないですか。お嫁さんもこうして来てくれているし安心でしょう。そのうち息子さんと同居されるのでしょう?」
何て余計な事を言うのだ。
何気なく聞いていた私は、「同居」という言葉に敏感に反応し、咄嗟にその場を離れてしまった。
だが背後で義母の声が聞こえた。
「まぁ、そうですけどね」
それを聞いた隣人は大袈裟な声を出した。
「いいですねぇー、羨ましい!」
私は息苦しくなった。
二人の高い笑い声がいつまでも頭の中で響いていた。
「嫌ですよね、歳を取ると次々とお金が要る事ばかりで」
そんな会話がしばらく続いていたが、次に隣人が探るように言った。
「お宅はいいじゃないですか。お嫁さんもこうして来てくれているし安心でしょう。そのうち息子さんと同居されるのでしょう?」
何て余計な事を言うのだ。
何気なく聞いていた私は、「同居」という言葉に敏感に反応し、咄嗟にその場を離れてしまった。
だが背後で義母の声が聞こえた。
「まぁ、そうですけどね」
それを聞いた隣人は大袈裟な声を出した。
「いいですねぇー、羨ましい!」
私は息苦しくなった。
二人の高い笑い声がいつまでも頭の中で響いていた。
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