義母マウンティング
――前回の続き。
え?そうなの?
自分が助手席に乗るものだと思っていた私は一瞬固まった。
義母は当然のように、さっきまで私が座っていたその場所に腰を下ろしている。
そして驚いたのは、夫が義母を気遣い、助手席の位置をさらに後ろに下げようとしていた。
「大丈夫?狭くない?」
そう言う夫に義母は、
「うん、もう少し前が広い方がいいね」と答えている。
私は自分の席を奪われた気分になり、夫への腹立ちを抑えられなかった。
「お義父さんはどうするの?後ろの座席は狭いわよ?」
義父を気遣っているフリをしつつ、本当は私自身を気にかけて欲しかった。二番手、いやそれ以下の扱いをされているような気がした。
「僕が出来るだけシートを前に寄せるから。ほら、結構広くなったでしょ?」と夫は言いながら、自分の体を縮めた。
そして義父は夫に後ろに乗り、私は義母の後ろに乗った。
イライラが収まらない。
小さい人間だ。
座る席なんてどこでもいいのに。優しく流せない自分がいた。
多分、席の問題ではない。
義母に遠慮が感じられなかったからだ。もし気遣いが感じられたなら、こちらも「もし助手席が良ければどうぞ」と言えただろう。
義母は全身から「私の息子よ」と発している気がした。もしくは「私の方が息子に近い存在よ」とマウンティングされた気分だった。
帰宅後、思わず夫にこの事を言ってしまった。
「普通、嫁である私に気を使わないかな?」と。
すると夫は信じられないという顔で、
「母親は足が悪いのに、そんな事を言ったり思ったりするころりの方がどうかしている」と怒った。
席ぐらい好きな場所に座らせてやればいいだろう、なんてお前は小さな人間なんだ――と叱られた。
涙が出た。
自分の小ささを指摘され反論出来なかった。
それでも私の味方はあなたしかいないのに……そう反論したかったが言葉にならなかった。
座る席なんてどこでもいいのに。優しく流せない自分がいた。
多分、席の問題ではない。
義母に遠慮が感じられなかったからだ。もし気遣いが感じられたなら、こちらも「もし助手席が良ければどうぞ」と言えただろう。
義母は全身から「私の息子よ」と発している気がした。もしくは「私の方が息子に近い存在よ」とマウンティングされた気分だった。
帰宅後、思わず夫にこの事を言ってしまった。
「普通、嫁である私に気を使わないかな?」と。
すると夫は信じられないという顔で、
「母親は足が悪いのに、そんな事を言ったり思ったりするころりの方がどうかしている」と怒った。
席ぐらい好きな場所に座らせてやればいいだろう、なんてお前は小さな人間なんだ――と叱られた。
涙が出た。
自分の小ささを指摘され反論出来なかった。
それでも私の味方はあなたしかいないのに……そう反論したかったが言葉にならなかった。
よく読まれている記事