助け合わないという選択肢
朝が弱い私。
鬱病予防には生活のリズムも大切だと、出来るだけ朝は早く起きるように努力しているが、油断するとすぐに昼夜逆転してしまう。
その日もまだハッキリしない頭を無理やり起こしながら、ノンカフェインのコーヒーを飲んでいた。
その時インターホンが鳴った。
時計を見ると9時を過ぎたところ。近所の人だろうか?またゴミ問題だろうか……そう思いながらインターホン越しに「はい」と答えながら画面を確認した。
すると……そこに映るのはまさかの義母。
えぇ⁉まさか来たの⁉
「おはようございます!ころりさん、私!ドア開けて下さい!」
画面の中の義母は元気よく叫んでいた。
嘘でしょ……。
頭が真っ白……というより真っ黒になったような気分で、しかし迎え入れない訳にもいかず、「すぐ開けます」とだけ答え、慌てて着替えた。
自堕落な私はまだ寝ていたままの姿だった。しかしそれは寝間着ではなく、Tシャツにロングパンツなので、相手が近所の人ならこのまま外に出たかもしれない。
だが義母は身なりに厳しい。
「だらしない!」と一喝されそうだ。
玄関ドアを開けると、義母は買い物袋や紙袋を抱え立っていた。
義父はおらず、どうやら一人、タクシーで来たらしい。
義母は、「それでどうなの?調子の方は?」と言いながら私より先にリビングに入って行った。
「あの……お義母さん、どうして」
と私が言い終わらないうちに義母は言葉を被せ、「それはあなた、心配じゃないの!大切な嫁が体調が悪いって言うんだから」と言った。
そして嬉しそうに、「ゆっくりしていて。私が美味しいご飯を作りますから!」と張り切っていた。
「もうすっかり治りましたし、大した事は無いですから」と何度も繰り返し言ったが、「大切な嫁に病気になられたら困ります」と返ってくるだけ。
さらに、「最近はころりさんに色々助けてもらっているでしょう?だから疲れたんじゃない?こういう時は家族なんだから助け合いですよ」と言い、「私も助けてもらうし、逆にころりさんにも頼って欲しいのよ」と言った。
うーん……。重い。
どちらも助け合わない、頼りあわないという選択肢はないのか?
と思ったが、言葉にすると我ながらあまりにも非情だと思い、何も言えなかった。
そして義母は昼食を作り、さらに夕食まで作り、夫が帰宅するまで一日中ずっと話し続けていた。
「ゆっくり休んでね」と言いつつ、あれだけ話し続けられると休むどころではない。
結局夫が義母を自宅まで送り届け、義母がうちに来るだけで私も夫も疲れ果てた一日だった。
今後どれほど体調が悪くても義母に言ってはいけない――そう実感した。
義父はおらず、どうやら一人、タクシーで来たらしい。
義母は、「それでどうなの?調子の方は?」と言いながら私より先にリビングに入って行った。
「あの……お義母さん、どうして」
と私が言い終わらないうちに義母は言葉を被せ、「それはあなた、心配じゃないの!大切な嫁が体調が悪いって言うんだから」と言った。
そして嬉しそうに、「ゆっくりしていて。私が美味しいご飯を作りますから!」と張り切っていた。
「もうすっかり治りましたし、大した事は無いですから」と何度も繰り返し言ったが、「大切な嫁に病気になられたら困ります」と返ってくるだけ。
さらに、「最近はころりさんに色々助けてもらっているでしょう?だから疲れたんじゃない?こういう時は家族なんだから助け合いですよ」と言い、「私も助けてもらうし、逆にころりさんにも頼って欲しいのよ」と言った。
うーん……。重い。
どちらも助け合わない、頼りあわないという選択肢はないのか?
と思ったが、言葉にすると我ながらあまりにも非情だと思い、何も言えなかった。
そして義母は昼食を作り、さらに夕食まで作り、夫が帰宅するまで一日中ずっと話し続けていた。
「ゆっくり休んでね」と言いつつ、あれだけ話し続けられると休むどころではない。
結局夫が義母を自宅まで送り届け、義母がうちに来るだけで私も夫も疲れ果てた一日だった。
今後どれほど体調が悪くても義母に言ってはいけない――そう実感した。
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