お風呂いただきます
朝から義父母の家に行くと、「待ってました」とばかりに義母が玄関まで飛び出てきた。
足が悪いはずなのに、こういう時の義母は動きが早い。痛みはどこへいったのかと不思議なほど。
「大変!大変ですよ!」
「はぁ……どうかしました?」
義母は大袈裟にジェスチャーしながら昨夜の事を説明した。
「昨日の夜ね、お風呂に湯を溜めようとしたら全くお湯が出ないのよ!」
その後、義父と義母は給湯器のリモコンの電源を入れたり切ったり、ガスの元栓を確認したり、時間を置いてからまたチャレンジしたりと色々試したと言う。
だがいくら試しても湯が出る気配はなく、昨夜は風呂に入るのを諦めたらしい。
「困ったですねぇ」
本音はその危機をあまり感じられず、私はのんびりした声を出した。
すると、「ここに電話すればいいわ」と、義母が私の前にガス業者の名刺を差し出した。
「はぁ」
そこまで分かっているなら自分で電話すればいいのに……。
そう思うが言い辛い。
だが義母が隣で、「ほら!早く、電話!」と言いながら私に受話器を渡す姿を見ると、ムカムカが止まらない。
義母に言われるがまま業者に電話すると、その日のうちに来てくれた。
だが「これは給湯器を交換するしかないですね」と言われ、その工事はいつになるのか確認すると、「頑張って明日の夕方には来られるようにしますが、今日はもう無理です」と言われてしまった。
どうしよう……嫌な予感。
業者が帰ると、予想通り義母が言った。
「それじゃあ、今日は息子の家でお風呂をいただきましょうか。ねぇ?お父さん」
話を振られた義父はどうでもいいような口調で、「ん?うぅん」とモゴモゴと返事している。
「ころりさん、ごめんなさいね、お願いしますね」
そう言われて断れるはずがない。
だが義理の親に自宅の風呂を貸すなんて……正直嫌でしかなかった。
こんな事ぐらいで嫌だと思うなんて、私に同居なんて絶対無理。
だが義母が隣で、「ほら!早く、電話!」と言いながら私に受話器を渡す姿を見ると、ムカムカが止まらない。
義母に言われるがまま業者に電話すると、その日のうちに来てくれた。
だが「これは給湯器を交換するしかないですね」と言われ、その工事はいつになるのか確認すると、「頑張って明日の夕方には来られるようにしますが、今日はもう無理です」と言われてしまった。
どうしよう……嫌な予感。
業者が帰ると、予想通り義母が言った。
「それじゃあ、今日は息子の家でお風呂をいただきましょうか。ねぇ?お父さん」
話を振られた義父はどうでもいいような口調で、「ん?うぅん」とモゴモゴと返事している。
「ころりさん、ごめんなさいね、お願いしますね」
そう言われて断れるはずがない。
だが義理の親に自宅の風呂を貸すなんて……正直嫌でしかなかった。
こんな事ぐらいで嫌だと思うなんて、私に同居なんて絶対無理。
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