私がするべきこと
夫が株や仮想通貨などという、知識もないのに不安定なものに手を出すと言い始めたので私はいよいよ焦った。
これではいけない。
夫の性格からすると本気ではないだろうと思うが、それを私も納得していると思われたくなかった。
「やっぱり私がフルタイムで働くわ」
少し前にも夫に言ってみた事があったが、その時には私も本気ではなく、夫が奮起するのを期待していた。
だが今回はそんな事を言っていられない。
私は本気だった。
毎日外に出るのは怖いが、このままではいつか借金をする事になるのではないか。そんな不安に駆られた。
前回この話をした時には夫は会話さえしたくない様子だったので突き放されたが、今なら話せる。
私が正社員で働くと断言すれば納得してくれると思った。本当は夫は以前からそうして欲しかったのに、私が優柔不断で夫に頼ってばかりだから、夫もストレスで負担だったのではないか。私が働けば夫の気が楽になるだろうと思った。
だが夫から返ってきたのは想像もしていなかった言葉だった。
「無理でしょ」
え?無理?
私は最初、私の性格的に無理だとか、私が精神病を繰り返しているから無理だとか、そういった理由で言われたのかと思った。
「でも頑張るしかないと思って……」
私がそう言いかけると夫は言葉を被せるように、
「僕の親はどうするの?」と言ってきた。
え?そこ?
まさかの義親の登場に驚いた。
夫はトーンを落とし、冷静な口調で言った。
「今の状況を見ていたら、ころりが介護するしかないでしょ。放っておけないでしょ、あの親を」
正直、私は「私が介護するしかない」とまで覚悟が出来ていなかった。まだ義姉がいる。介護サービスがある。そんな逃げの気持ちがあった。
夫は「ころりには申し訳ないと思うけれど」と言いながらも、親の事だけは譲らない。
さらに、今でさえ母親から「嫁のパートを辞めさせなさい」と言われている夫。義母は私に毎日来て欲しいのだ。
その母親の気持ちが分かる夫は、私が金を稼ぐ事よりも、親を介護する事に時間を使って欲しいと言う。
でも……私達の生活はどうなるの?
私がそう言いかけると夫は言葉を被せるように、
「僕の親はどうするの?」と言ってきた。
え?そこ?
まさかの義親の登場に驚いた。
夫はトーンを落とし、冷静な口調で言った。
「今の状況を見ていたら、ころりが介護するしかないでしょ。放っておけないでしょ、あの親を」
正直、私は「私が介護するしかない」とまで覚悟が出来ていなかった。まだ義姉がいる。介護サービスがある。そんな逃げの気持ちがあった。
夫は「ころりには申し訳ないと思うけれど」と言いながらも、親の事だけは譲らない。
さらに、今でさえ母親から「嫁のパートを辞めさせなさい」と言われている夫。義母は私に毎日来て欲しいのだ。
その母親の気持ちが分かる夫は、私が金を稼ぐ事よりも、親を介護する事に時間を使って欲しいと言う。
でも……私達の生活はどうなるの?
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