それはあなたの都合
朝から電話の音で起こされた。
時計を見たらまだ6時過ぎ。
番号を見ると、夫の実家だった。
先日会ったばかり。こんな朝早くなんて、義親のどちらかに何かあったのかもしれないと思い、慌てて受話器を取った。
「ころりさん?おはよう」
のんびりした義母の声。
「お義母さん、どうしたのですか?お義父さんに何か?」
義父は心臓が悪い。
最近調子が悪いと言っていたので、いよいよ緊急事態か?と心配になった。
だが相変わらず義母はのんびり。
「お父さん?隣にいるわよ」
様子を聞いていると二人とも問題なさそうだ。
私はホッとすると同時に、一体こんな朝早くから何の用事なのよ……と呆れた。
「朝早くからごめんね、でも早く電話しないと、もし仕事に行く日だったら間に合わないと思って。お父さんも早く電話しろって言うから」
「はぁ……」
私は次にどんな事を言われるのかドキドキした。
「ころりさん、今日は買い物に連れて行ってくれる?」
「買い物?」
「そうなの。スーパーに食べる物を買いに行きたいって……お父さんが言ってるから」
義母は言葉を発する度に義父のせいにしていたが、本当は自分が行きたいのだろう。それにしても……
私は先日夫の実家に行ったばかり。
その時には何も言わず、どうして今頃、それもこんな早朝に言い出すのか?
頼みたいならせめて会った時に言ってくれればいいのに。
「すみません、私、今日は仕事なんです」
事実だった。辞めたい仕事だが、この時ほど仕事があって良かったと思った事はない。義母の頼みを罪悪感なく堂々と断れる。
すると義母は言った。
「あ、やっぱり!良かったー!だから早く電話したのよ。間に合って良かったわ!ね、お父さん、ころりさん仕事の日だって」
後半は隣にいるであろう義父に話しかけていた。
良かった?間に合った?私は断ったつもりですけど?
だが義母には通じていない。
そして私が再度、仕事だから今日はダメだと伝えると、「パートでしょ?休むと電話一本すれば済むでしょ?」と言う。
「当日にそれは言い辛いので……」と私が言うと、「そんな仕事なら辞めなさい!」と急に声を荒げた。
どうしてこれ程気が強いのか?
介護なんて必要がないように思えた。
「買い物?」
「そうなの。スーパーに食べる物を買いに行きたいって……お父さんが言ってるから」
義母は言葉を発する度に義父のせいにしていたが、本当は自分が行きたいのだろう。それにしても……
私は先日夫の実家に行ったばかり。
その時には何も言わず、どうして今頃、それもこんな早朝に言い出すのか?
頼みたいならせめて会った時に言ってくれればいいのに。
「すみません、私、今日は仕事なんです」
事実だった。辞めたい仕事だが、この時ほど仕事があって良かったと思った事はない。義母の頼みを罪悪感なく堂々と断れる。
すると義母は言った。
「あ、やっぱり!良かったー!だから早く電話したのよ。間に合って良かったわ!ね、お父さん、ころりさん仕事の日だって」
後半は隣にいるであろう義父に話しかけていた。
良かった?間に合った?私は断ったつもりですけど?
だが義母には通じていない。
そして私が再度、仕事だから今日はダメだと伝えると、「パートでしょ?休むと電話一本すれば済むでしょ?」と言う。
「当日にそれは言い辛いので……」と私が言うと、「そんな仕事なら辞めなさい!」と急に声を荒げた。
どうしてこれ程気が強いのか?
介護なんて必要がないように思えた。
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