孤独感
―――前回の続き。
「おーい、早いね!」
と、新顔ママの一人がジャイアンママに声をかける。
「私達も今きたところよ」
そう言いながら新旧のママ同士、完全に子供中心の話題になっていった。
新旧のママは、ママ同士も子供も年齢は少し離れているが、小学校に通っていた時期が少し重なっていたり、地区の子供会や塾、その他でも子供の関係する行事でいつも一緒になる為にすっかり打ち解けている様であった。
十数年この地に住んでいるのに一向に距離が縮まらない私とは大違いだ。
もう誰も私の方は向いていなかった。
皆私など存在しないかのように背を向けて話に夢中になっている。
私は一人場違いで居たたまれなくなった。
「じゃあ、また」
私はジャイアンママに声をかけ、その場を離れた。
その後、私は屋台で知った顔の年配主婦を見つけた為「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけた。
しかし人手はどう見ても足りている。ほぼ全世帯の主婦が出てきているのだから。
何もする事がなく、ただ立っておしゃべりしている主婦達の方が多いぐらいだった。
「ありがとう、でももうする事がないから花火でも見てゆっくりして」
そう言われ、私はまたその場も離れた。
あぁ、疲れる。私は近くのブロック塀に腰をかけた。
結局特に何もしないまま時間だけが過ぎた。
少しは涼しい時間帯なのに屋台と人の熱気で蒸し暑く息苦しくさえ感じた。
目の前には大勢の人がいて賑やかな音楽と人の声が聞こえているはずなのに、私の耳はどこか遠く、見えてるはずの光景がぼんやりと霞み、なぜか現実感を失っていった。
ようやく辺りが真っ暗になり、花火の打ち上げが始まる。
顔を上げ、手を止め、皆の視線が花火に集中している様だった。
私はそっと立ち上がり、皆の視線と逆方向に歩き始めた。
「もう帰ろう。きっと後片づけも手伝う事はないのだろう」
背中に打ち合げ花火の音を聞きながら、屋台の道路から外れ人気のない横道に入った。
一つ道を入っただけなのに、今までの熱気が嘘のように涼しい風が頬にあたった。
一人歩きながら、相変わらず私は孤独だと実感する。
居場所がない。一体いつまで子持ちと子なしの壁を感じなければならないのだろう。
家に着き、玄関を開けると愛犬がお座りをして待っていてくれた。
その無邪気な顔を見ているとなぜかじんわり涙が浮かんだ。
そう言われ、私はまたその場も離れた。
あぁ、疲れる。私は近くのブロック塀に腰をかけた。
結局特に何もしないまま時間だけが過ぎた。
少しは涼しい時間帯なのに屋台と人の熱気で蒸し暑く息苦しくさえ感じた。
目の前には大勢の人がいて賑やかな音楽と人の声が聞こえているはずなのに、私の耳はどこか遠く、見えてるはずの光景がぼんやりと霞み、なぜか現実感を失っていった。
ようやく辺りが真っ暗になり、花火の打ち上げが始まる。
顔を上げ、手を止め、皆の視線が花火に集中している様だった。
私はそっと立ち上がり、皆の視線と逆方向に歩き始めた。
「もう帰ろう。きっと後片づけも手伝う事はないのだろう」
背中に打ち合げ花火の音を聞きながら、屋台の道路から外れ人気のない横道に入った。
一つ道を入っただけなのに、今までの熱気が嘘のように涼しい風が頬にあたった。
一人歩きながら、相変わらず私は孤独だと実感する。
居場所がない。一体いつまで子持ちと子なしの壁を感じなければならないのだろう。
家に着き、玄関を開けると愛犬がお座りをして待っていてくれた。
その無邪気な顔を見ているとなぜかじんわり涙が浮かんだ。
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