失明する可能性





医師はあっさりと言った。

「こういう眼の人は難しいんですよ。いずれ失明する可能性もありますよ」

その時の私のショックは相当なものだった。


最近また眼の調子が悪く、この苦手な医師と会うのは嫌だったが、仕方なく眼科を受診したのだ。

この病院の医師は口調がきつくハッキリと言う事で有名だ。
だから私のような気弱な人間には向かないと分かってはいるが、過去の検査データがある為に転院し辛い。

さらにいつも混み合っている為忙しく、今回も「失明する可能性もありますよ」と言った直後に、「はい、では次の方!」と流れ作業のように次の患者に移ってしまった。

残された私は呆然。

自分自身、何か質問出来る余裕は無かったが、もししたくても医師にその隙は無かった。

立ち上がった私は眩暈で目の前が真っ暗になった。

慌てて隣にいた看護師が支えてくれ、しばらく椅子に横になるよう促された。



いけないいけない。
先走り不安になり過ぎてはいけない。

医師がこれ以上何も言わないのは、そこまで気にする必要はないからだ。そう思おう。

とはいえ、「失明する可能性があります」と予告だけされ、その予防策を教えてもらえないなんてどうすればいいのか分からない。

そしてこんな事ぐらいで過剰に不安になり、また倒れてしまう自分が情けない。
何かある度に人に迷惑をかけてしまう。

しばらくして看護師が近寄り、「家族の方に迎えに来てもらえますか?」と聞かれた。

「いいえ、大丈夫です。自分で帰れます」と私は答えた。

頼める家族なんていない。
夫との関係は未だにギクシャクし、何より仕事中だ。

私はふらりと立ち上がり、しばらく病院付近の公園のベンチで休憩した。

これぐらい一人で受け止められるようにならなくては。
そう言い聞かせてみるが自信はなかった。




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Posted byころり