子なし主婦の居場所





久々に近所の主婦に話しかけられた。

いつもはすれ違いざまに軽く会釈をする程度なのだが、年に1、2回こうして話しかけてくれる時がある。

引きこもり、近所付き合いがほとんどない私にとっては有難い事なのだが、その声をかけてくれた主婦は少し苦手なタイプであった。

彼女は私と同年代であるが、この地域ではボス的存在であり、私の夫などは密かに彼女の事を「ジャイアン」と呼んでいる。

かといって彼女は、口調がキツイとか面と向かって嫌味を言うような人ではない。ではなぜ苦手なのか?

それは人の噂話や悪口が好きだからだ。
話し始めると延々と噂話が続き、近所の主婦達の中心で何時間も井戸端会議をしていたりする。そんな姿を見ると、嫌だなと思う反面、自分の噂をされているのではないか?と疑心暗鬼に包まれる。

周囲の主婦達も、彼女を慕い、頼り、そして自分が嫌われないようにどこか気を遣っている様にも見えた。



そんな彼女が久々に、玄関先でバッタリ会った私に「最近どう?元気?」と話しかけてきたのだ。
苦手意識のある相手だが、「自分に声をかけてくれる人」だ。感謝しなくては。

私は自ら彼女に歩み寄り、「暑いですね」と話を続けた。
最初はお天気の話であったが、案の定彼女は近所の主婦の噂話をし始めた。

あそこの主婦はもうすぐ離婚しそうだとか、あの人は最近パートを始めたとか。
私は話の内容よりも、彼女の知るご近所主婦達の情報量の多さに驚いた。

私は数軒離れた家となると、そこの主婦の顔さえよく覚えていない状態である。
そして引きこもっていると、自分が近所に馴染めていない事さえ忘れてしまう時がある。

だが、こうして時々近所の主婦と話をすると、「皆私が知らない間に、どんどん仲良くなっているんだな」と実感する。

私は「へー、そうなんですね」と、バカみたいに同じ相槌ばかりうち、彼女は「それでね」と話を続けた。

仲の良い主婦は子供を同じ塾に通わせている事。
学校の役員会で皆が大変な事。
少し前には授業参観があった事まで話してくれた。

私は彼女の話を聞いているだけで意味もなく焦りを覚え、自分がこの地域でポッカリ浮いているような気分になった。

―――続きます。





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Posted byころり