波長が合う人
―――前回の続き。
彼女の両親は現在、マレーシアに住んでいるという話が興味深かった。
年に2回程日本に帰ってくる程度で、あちらでの生活はまさにスローライフ。
以前ニュース番組でも、最近そういった老後を選択をする中高年の人が増えてきていると見た事があったが、リアルな生活の様子を聞いていると、本当に心がのんびりするような気分になった。
子供に恵まれなかったのは残念だけど、夫婦二人でそんな生活を楽しむのもいいよね。
私達はそんな風に言い合い笑った。
「今でも十分幸せだし」と明るく笑う彼女と話していると、本当にそうだよね、そうなんだよね、と思えるような気がしてくるのが不思議だ。
家に帰ってくるとすぐにまた鬱鬱とした自分に戻ってしまうのだけど。
行くのが嫌だった美容院だったが、彼女のおかげで椅子を倒すのも何もかもが気にならずに済んだ。
帰り際、ドアの外まで見送ってくれた彼女に、「また次回もお願いしますね」と言うと、彼女は言いづらそうに、「実は……私、今月で辞めるんです」と言った。
えぇっ?そうだったの?残念!と私が言うと、彼女は「私ももっと色々話したいなぁ。しばらく暇になるし」と言って笑った。
ここで普通なら「携帯番号交換しましょうか?」とでも言うべきだったのだろうか?折角相手が親しげに近寄ろうとしてくれているのだから。
しかし私はこの10年、ほとんど人付き合いをしておらず、ましてや新たな友人を作るなんてドキマギしてしまう。
どうしていいか分からず私は慌てて、「では頑張ってね」と、無理やり話を終わらせて手を振って立ち去ってしまった。
変な人だと思われただろうな。あぁ後悔。
でも昔を思い出した1日だった。見た目や雰囲気と関係なく波長が合う人っている。
そういう人が一番長続きする友人だったりしたな、と。
帰り際、ドアの外まで見送ってくれた彼女に、「また次回もお願いしますね」と言うと、彼女は言いづらそうに、「実は……私、今月で辞めるんです」と言った。
えぇっ?そうだったの?残念!と私が言うと、彼女は「私ももっと色々話したいなぁ。しばらく暇になるし」と言って笑った。
ここで普通なら「携帯番号交換しましょうか?」とでも言うべきだったのだろうか?折角相手が親しげに近寄ろうとしてくれているのだから。
しかし私はこの10年、ほとんど人付き合いをしておらず、ましてや新たな友人を作るなんてドキマギしてしまう。
どうしていいか分からず私は慌てて、「では頑張ってね」と、無理やり話を終わらせて手を振って立ち去ってしまった。
変な人だと思われただろうな。あぁ後悔。
でも昔を思い出した1日だった。見た目や雰囲気と関係なく波長が合う人っている。
そういう人が一番長続きする友人だったりしたな、と。
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