決断出来ない





――――前回の続き。

この展示会で買わなくても、店舗にあったその商品を正規の価格で購入すれば済む話なのだが、この数日の間ネットで調べていると、全く同じ商品がネットだと2万円も安かった。
ベッド2台だと4万円も差が出る。
せめて展示会で購入すればその差もあまりないと期待して来たので、正規の価格で買うならいっそネットで購入しようかと迷い始めていた。

しかし店員も完全に「今日は買う気で来た客」という目で見ている。
数人のメーカー担当者にも囲まれ、皆で色んなベッドを説明してくれている。

これは買わねばならぬ雰囲気では……。

なんとなく流れで、ある一つのベッドに決まりかけた。
かなり値引きしてくれるらしいし、確かにお得。
もうこれで妥協しようか、でも……迷う私。

ここで夫が、「僕は何でもいいのだから、ころりが決めてよ。ネットで買うのもいいし、これに決めてもいいし」と言い始めた。

そして店員に向かい、「こういうのは妻に任せていますので」と笑った。



そこにいた店員、メーカー担当者、夫までも、全員の目が一斉に私を見る。
「奥さん、どうします?」
「奥さん、これはお得ですよ?」

あーっ、ダメだ。決められない。
もうベッドの種類がどうとかではなくなっていた。
こんな小さな事だが、決断を迫られると急に不安感が押し寄せる。何なのだこの言いようもない息苦しさと吐き気。

以前は本当にこんな人間ではなかった。
特に買い物関係では、自分が好きな物を即決出来るタイプであった。

あの頃はどうして迷いがなかったのだろう。

心療内科で相談した時、鬱の人は「決断出来ない」「依存する」と言われ、「あなたは典型的な鬱病です」と言われた。

そういう事なんだろうか?

結局ベッドは買わなかった。
「すみません、決められません」と私は言った。
「え?ここまで話して買わないの?」というのが、その場にいた人達全員の心境だったと思う。

ベッドひとつ自分で決められないなんて。




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Posted byころり