泣きの電話
義母から電話があった。
一時は「同居して」と言い騒いでいた義母。
私はそれだけは免れたくて、その頃には義実家に頻繁に顔を出していた。同居するぐらいなら通う方がずっといい。
だが最近はそれも徐々に減り、また滅多に顔を出さない嫁に戻ってしまった。
義母がここしばらく同居の事を口に出さないので、それに甘えてしまったのかもしれない。
電話の向こうの義母は、珍しく元気がなかった。
私もしばらく顔を出していない罪悪感から、「すみません、なかなか行けなくて」と低姿勢になる。
すると電話の向こうから何やら怪しい唸り声が……。
うぅ、うぅ、うっ、うっ。
……もしかして……泣いてる?
「あの……お義母さん?どうかしました?」と恐る恐る聞くと、
「ころりさーんっ!!うぇ~ん!」
と、子供のように泣きじゃくる義母の声が聞こえた。
何なんだ一体。
「落ち着いて下さい。何かあったのですか?」と理由を聞くと、出るわ出るわ、義姉の悪口。
あの人は気が強い。
私の言った事を全て否定する。
良かれと思ってアドバイスしても素直に聞かない。
息子や孫の事で意見させてくれない。
などなど。
どれも義姉の気持ちが分かるというような内容だったが、義姉もかなり気が強いタイプの為、義母が打ちのめされたのも理解出来た。
「ころりさーん、助けてよぉ……うぅ、うぅ」と泣く義母。
いつも思うが、誰もかれもどうしてこうも感情を露わに出来るのだろう。
義母、義姉、実母……私はいつも受け身だ。
それとも自分で気付いていないだけで、私もどこかで感情を相手に出しているのだろうか。
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