私の居場所がない
今日は朝から夕方まで無心に掃除した。
熱中症になりそうな程、汗だく。
掃除というのはすればする程気になるもので、全く掃除しない時には、大きな埃が床を転がっていても気にならなかった。
この暑さの中、床を拭いていると汗がボタボタと落ちる。
首にタオルを巻き付け、私は掃除する事で何も考えないようにしていた。
暑さと疲れで何も考えられない。
私の頭の中が無駄な悩みでいっぱいなのに対し、目の前の部屋が綺麗になっていく事でストレス解消となっていた。
夕方になりシャワーをあびる。
冷蔵庫から冷たい水を取り出し、洗濯したてのカバーをかけたソファに静かに腰かけた。
静かなリビング。
聞こえるのはエアコンの動作音だけ。
このまま横になりたい。
そう思った瞬間、玄関で音がした。
夫が帰宅したのだ。
いつもならLINEで連絡をくれるのに。
夫はリビングに入ってくるとドサッとソファに座った。夫が部屋に入ってきただけで、熱気が伝わってくる。夫の額から汗が流れ、ワイシャツはベッタリと体に張り付いている。
「洋服、着替えたら?」と言ってみたが、夫は返事をせず、そのままソファに倒れて眠ってしまった。
そこ、掃除したんですけど?カバー、洗濯したばかりなんですけど?
沸々と腹立たしさがこみ上げてきたが夫の不機嫌さを感じ、私は部屋を出た。
私の居場所がないような気がした。
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