そういう所
朝テレビをつけて驚いた。
地震の様子が映し出され、画面は騒然としていた。
最も被害の大きかった地域を知り、知人を思い出した。
その地域には子供の頃に仲が良かった山口さんが住んでいる。
山口さんは昔私の近所に住んでいたのだが、10歳の頃に親の転勤で引越してしまった。
1年程だろうか。文通していた。
しかしお互い成長と共に手紙も書かなくなり、年賀状だけとなった。その年賀状も、高校生ぐらいで終わったように思う。
だが親同士は違った。
特に私の母。
子供同士はとっくに繋がりは無くなったのに、親同士は時々電話で話していたようだ。
なのでごくたまに、「山口さんね……」と母から話題にされる事もあった。
本当にあちらの親は迷惑ではないのだろうか?
空気を読まない私の母が、いつまでもしつこく電話しているだけでは?そんな気がしていた。
その山口さんが住む場所に大きな地震があった。
気にはなった。だがニュースの様子を見る限り、無事であるだろうと想像した。
それよりも咄嗟に母の事が頭をよぎった。
嫌な予感がした。
その予感は的中し、その後すぐに母から電話があった。
電話に出た瞬間、
「山口さん!大変じゃない⁉」
「……そうね」
「ころり、早く連絡してあげなさいよ!」
「私、連絡先なんて知らないよ。もう長く関わってないし」
「私が電話番号知ってるから!ほら!早くメモ!電話して!」
――正直、そこまでする?という気持ちだった。
とても身近な存在ならまだしも、遠い遠い過去に関わった人だ。それを過剰に大騒ぎして連絡するなんて、逆に迷惑なだけなように思う。それに、本当に電話したいなら母がすればいい。
と、母にそれを伝えると、
「ころりはそういう所がダメなの!」と激怒した。
そのまま電話はガチャッ!と切れ、私は息苦しい気分でテレビを見続けた。
私のこういう所がダメなのか?
電話に出た瞬間、
「山口さん!大変じゃない⁉」
「……そうね」
「ころり、早く連絡してあげなさいよ!」
「私、連絡先なんて知らないよ。もう長く関わってないし」
「私が電話番号知ってるから!ほら!早くメモ!電話して!」
――正直、そこまでする?という気持ちだった。
とても身近な存在ならまだしも、遠い遠い過去に関わった人だ。それを過剰に大騒ぎして連絡するなんて、逆に迷惑なだけなように思う。それに、本当に電話したいなら母がすればいい。
と、母にそれを伝えると、
「ころりはそういう所がダメなの!」と激怒した。
そのまま電話はガチャッ!と切れ、私は息苦しい気分でテレビを見続けた。
私のこういう所がダメなのか?
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