楽しむ心
夫のベッドが壊れた。
ある日、突然ベッドの足が折れたのだ。
そういえばこのベッドは結婚以来使用し続けている。
もう買い替え時ではないだろうか。
貧乏性なのでうっかりすると何十年でも使い続けてしまいそうだが、私のベッドもキシキシと音を立てている。
それから、夫の休日に家具店を見て回った。
最初はどんな種類があるのか、どんなものがいいのか全く分からなかったが、色々と見ていると自分達の好みのタイプが分かってくる。
何でもベストを選びたいと思ってしまう私。適当に選べない。
ネットなどでもベッドのスプリングのタイプや歴史まで調べる始末で、それをプリントアウトし、夫にも説明出来るように表にした。
なおかつ通販ではどれぐらいの価格なのか?売れ筋なども調べた。
そして、今あるベッドの撤去をどうするか?
いくつか家具店で確認すると、店によっては別途料金が万単位で必要な場合があるという。
撤去のみ専門業者に頼むか?
そんな事を調べたり考えたり、家具店を見て回る日が続いた。
そしてふと気付いた。
気持ちが少しだけ楽になっている事を。
ちょうど、あの「電話予約」をした日から、二週間ぐらい経っていた。
家具店を見て回るのは本当に楽しかった。
ただ見て回るだけでなく、久々に「購入する」というのが嬉しかった。
そして、少なからず店員と会話をする。
心療内科で会話するネガティブな話ではなく、笑いながら楽しい会話だ。
こういった事が私の心を少し明るくし、不安や恐怖を忘れさせてくれたのかもしれない。
もちろんこんな事ぐらいで何も解決していない。
私は今も不安症でパニック症で鬱な人だ。
ただ、ほんの少しでも楽しく感じられる事が出来て良かった。
そんな心が残っていて良かった。
- 関連記事
よく読まれている記事