子供がいれば夫はいらない
パート先の一人の主婦が、離婚する事になったらしい。
私と同年代で子供は大学生が2人。
皆の話題は養育費の事に集中した。
「しっかり貰わなきゃだめよ」
「最初だけで途中から払わなくなる人もいるからね」
「で、どれぐらいの金額になったの?」
明らかに余計なお世話だが、聞かれた本人は気を遣ったのか、又は心配されて嬉しいのか、何でも素直に答えている。
「やっと離婚出来てスッキリしたわ」と離婚した主婦は言った。
すると周囲の人達は「そうよ、そうよ」と同意し、その中の一人が
「夫なんて本当は要らないわよね。子供がいれば十分!」と言った。
これには皆強く共感した様子で、「分かる!」「ほんと、子供だけでいいわよねー」と口々に言い始めた。
さらに、
「だって、夫がいて子供がいないのと、子供がいて夫がいないのと、どっちが幸せ?」と一人が皆に聞いた。
その場にいた中で、子供がいないのは私だけ。
私は最初から会話に入らず、隅に座りスマホを触っていただけだったが、この言葉を聞いた瞬間、身を固くした。
自分の存在を消すかのように。
私はこの場にいるべきではないように思った。
だが今更逃げられない。
「それは当然、夫なし子供ありの方でしょ」と、皆も頷いていた。
私の前でそんな会話をされて傷ついた……というのではなく、この中の誰かが私の存在に気付き、「可哀想」だとか内心気遣われているのではないか……そればかり気になった。
彼女達の会話は続けられ、
「夫なんて存在自体が鬱陶しいし、何より同年代だから老後は頼れないでしょ?子供が自分より先に亡くなる可能性は低いのだから、やっぱり頼れるのは子供よね」
皆強く頷いた。
確かに。子供に介護を頼むまで考えていなくても、老後に完全な独りぼっちになる事は避けられる。私がいつも不安に思っている事なので、この言葉には納得するものがあった。
最後には離婚主婦を元気づける為か慰める為か、「子供がいて良かったわよ」と口々に言い会話は終わった。
とても居辛かった。
やはり子有り主婦達と共に過ごすのは苦しい。
この会話を聞いて、「私も子供が欲しかったのに」という意味で辛くなったのではなく、ただ子供がいない事により、同世代の女性達とは埋められない溝がある事、考え方や感じ方まで違ってしまった事が辛い。
私には夫がいなくてもいい、なんて思えないから。
私の前でそんな会話をされて傷ついた……というのではなく、この中の誰かが私の存在に気付き、「可哀想」だとか内心気遣われているのではないか……そればかり気になった。
彼女達の会話は続けられ、
「夫なんて存在自体が鬱陶しいし、何より同年代だから老後は頼れないでしょ?子供が自分より先に亡くなる可能性は低いのだから、やっぱり頼れるのは子供よね」
皆強く頷いた。
確かに。子供に介護を頼むまで考えていなくても、老後に完全な独りぼっちになる事は避けられる。私がいつも不安に思っている事なので、この言葉には納得するものがあった。
最後には離婚主婦を元気づける為か慰める為か、「子供がいて良かったわよ」と口々に言い会話は終わった。
とても居辛かった。
やはり子有り主婦達と共に過ごすのは苦しい。
この会話を聞いて、「私も子供が欲しかったのに」という意味で辛くなったのではなく、ただ子供がいない事により、同世代の女性達とは埋められない溝がある事、考え方や感じ方まで違ってしまった事が辛い。
私には夫がいなくてもいい、なんて思えないから。
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