まさかの食いつき
私は黒い物体、Gが苦手だ。
この年齢になるまで、まともに戦った事もない。いつも夫任せ。
一人の時には汗だくになりながら逃げる。
何年か前から、駆除用の薬剤は家の中ではなく、屋外に置くようにした。
家の中に置くと、その匂いでGを呼び寄せるような気がするからだ。
だが結果……
屋外に置くと、外のGを圧倒的に呼び寄せる。これは失敗だった。
やはり一般的な方法で――家の中に置く事にしよう。
いつもなら2月から3月頃までには対策を済ませている。
だが今年は寒い日が多かった事もあり、先延ばしにしているうちに5月まで対策せずにきてしまった。
幸いまだ今年はGと対面していない。
早くしなくては。
私は焦ってドラッグストアに行き、置くタイプの薬剤と、殺虫剤、氷殺スプレーなどを買った。
それも殺虫剤と氷殺は各部屋に置く為、何本も必要。
どれだけ無駄遣いなんだ!と夫に怒られるが、これだけは譲れない。
帰宅後、私は早速置くタイプの薬剤を玄関や洗面所の隅に置いた。
すると……
何やら背後でハフハフと荒い息遣いが聞こえる。
振り返ると、愛犬が薬剤に向かって突進してくるではないか。
「ダメ!」
強く叱っても、興奮してしまい私の声など聞こえてはいない。
幸い、薬剤は愛犬が届かない家具の奥に置いてあるので、愛犬が舐めてしまう事はなかったが、そこに薬剤がある限り、愛犬は目の前から離れず、ずっと鼻先を押し付けている。
これはダメだ。
G対策のはずが、愛犬が食いついてどうする。
何年も家の中に薬剤を置くという事をしていなかったので、こうなる事を予想出来なかった。
仕方なく、私は全ての薬剤を、家具の上に置いた。
それで愛犬の興奮は少し治まったが、それでも上を見上げて前足を伸ばしていた。
まだ犬だから上に置けるが、猫ならどうするのだろう?
薬剤を置く事を諦めるしかないのか?
いや……猫ならGを捕獲して持ってくる……なんて事を聞いた事もある。
それはそれで助かるが、想像する絵が恐ろしい。
「ダメ!」
強く叱っても、興奮してしまい私の声など聞こえてはいない。
幸い、薬剤は愛犬が届かない家具の奥に置いてあるので、愛犬が舐めてしまう事はなかったが、そこに薬剤がある限り、愛犬は目の前から離れず、ずっと鼻先を押し付けている。
これはダメだ。
G対策のはずが、愛犬が食いついてどうする。
何年も家の中に薬剤を置くという事をしていなかったので、こうなる事を予想出来なかった。
仕方なく、私は全ての薬剤を、家具の上に置いた。
それで愛犬の興奮は少し治まったが、それでも上を見上げて前足を伸ばしていた。
まだ犬だから上に置けるが、猫ならどうするのだろう?
薬剤を置く事を諦めるしかないのか?
いや……猫ならGを捕獲して持ってくる……なんて事を聞いた事もある。
それはそれで助かるが、想像する絵が恐ろしい。
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