隣の家に住む
嘘を事実にする為、実家に行った。
しばらく顔を出していなかった為、母の機嫌が悪い。
部屋に入っていくと気怠い口調で
「……どうしたの?」と言いながらため息をつかれた。
これだから来るのが余計に嫌なのだ。
母はいつも不調で不健康で不機嫌な態度をする。
それ程体調が悪いなら帰るわよ、とこちらは思うのだが、5分も会話していると今までの不機嫌が嘘のようにどんどん機嫌が良くなり、ペラペラと調子良く話し始める。
折角娘が来たのだから、最初から笑顔で迎えてくれればいいのに。
自分を気にかけて欲しいばかりで、それがいかに子供染みているか分かっていない。
だが私も親を口実に使ったのだから母を責められない。
ただ時間が過ぎるのを待った。
最近の母は私への依存が更に強くなっているように思う。
この日も、隣の娘は頻繁に帰省していると羨ましそうに言った。
他人の事を持ち出して、私にもっと家に来て欲しい事をアピールする。
さらにこの日は、「親子で隣の家に住むとかいいわよね」と言い、どこか中古マンションでも探さない?と冗談交じりに言い始めた。
母が隣に住むなんて考えられない。
娘の事を何でも知りたい母。
母に心の内を知られるのが怖い娘。
上手くいく訳がない。
この日も、隣の娘は頻繁に帰省していると羨ましそうに言った。
他人の事を持ち出して、私にもっと家に来て欲しい事をアピールする。
さらにこの日は、「親子で隣の家に住むとかいいわよね」と言い、どこか中古マンションでも探さない?と冗談交じりに言い始めた。
母が隣に住むなんて考えられない。
娘の事を何でも知りたい母。
母に心の内を知られるのが怖い娘。
上手くいく訳がない。
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