ダブルの重荷・続き
――前回の続き。(▶ダブルの重荷)
近くに住んでいるという事は、その距離だけでなく、精神的にもかなり縛られる。
親も離れて住む子の事は諦めているのか、それ程執着しない。
先日も義母と話していると、
「明日は何をしているの?どこかに行くの?ずっと家にいるの?家で何をするの?」と細かく質問されてうんざりした。
さらに
「職場の電話番号を教えてよ。緊急の時にころりさんに連絡取れなかったら困るから」と言われ、こればかりは必死に断った。
もし教えてしまったら、私が出勤していない日にも平気で職場に電話されてしまいそうだ。
義母と会い、ドッと疲れて帰宅したら、電話が鳴った。
ナンバーディスプレイを見ると、今度は実家の母。
どっしりと肩が重くなり、迷った末に受話器を取る。
「どう?今日もお義母さんの所に行っていたの?大変ね」と母。
そういうあなたも私にとっては負担なんだけど。
そう思いながらも「うん、うん」と母の話を適当に聞き流す。
どちらの親の事も忘れてしまいたいが、これぐらいで済むなら……同居せずに済むなら……。
そう自分に言い聞かせている。
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