遠慮すれば?
「ころりさんも来て下さい!」
そう言われて私は曖昧に笑った。
パート先で飲み会があるらしい。
もちろん飲み会なんて苦手。
仕事以外の付き合いなんて避けたい。
おかしなものだ。
引きこもり、このまま誰とも関わらない人生になるのが怖くて始めたパートなのに、結局誰かに誘われれば逃げる事ばかり考える。
特に週に2日のパートなんて、よそ者の空気感がいつまでもあり、毎日長時間関わっている彼女達の中には入れない。入りたいとも思えない。
いつもの私なら、今回の飲み会もすぐに断っていた。
だが、その誘ってくれた社員が言ったのだ。
「ころりさんも同じチームなんだから、絶対来て下さい!」
私が最近関わっていた仕事にはチームがある。
この数か月、同じチームで一つの仕事をしてきた。
もちろん私はサポートレベル。
その仕事が先日無事終わったらしいのだ。
「らしい」と言うぐらい、私には他人事で、自分が仕事をしたという達成感も何もない。
だがこのチームには恵まれていた。
ほとんどが男性だが、気さくで話しやすかった。
今回はそのチームだけの飲み会らしく、なかなか断りづらい。
「どうです?来られそうですか?」
そう社員に確認され、私は思わず言った。
「では……参加させて頂きます」
「良かった!」
社員の嬉しそうな顔を見て、参加する事にして良かったと思った。内心は憂鬱だけど。
そして、その会話を向かいの席の酒家さんが聞いていた。
「ころりさん、無理しなくていいわよ」
社員が立ち去った後、そう酒家さんが言い始めた。
「え?」
「だから、ころりさんみたいな大人しい人が飲み会に行くと、場が盛り下がるでしょ?遠慮すれば?」
絶句。
心臓がドキドキした。どう答えれば?
傷ついた……というより怖かった。
「そうなのかな」
そんな間抜けな返事をするのが精一杯。私は涙目になりながら、仕事に集中するフリをした。
そう社員に確認され、私は思わず言った。
「では……参加させて頂きます」
「良かった!」
社員の嬉しそうな顔を見て、参加する事にして良かったと思った。内心は憂鬱だけど。
そして、その会話を向かいの席の酒家さんが聞いていた。
「ころりさん、無理しなくていいわよ」
社員が立ち去った後、そう酒家さんが言い始めた。
「え?」
「だから、ころりさんみたいな大人しい人が飲み会に行くと、場が盛り下がるでしょ?遠慮すれば?」
絶句。
心臓がドキドキした。どう答えれば?
傷ついた……というより怖かった。
「そうなのかな」
そんな間抜けな返事をするのが精一杯。私は涙目になりながら、仕事に集中するフリをした。
よく読まれている記事