二人暮らしにあるべきサイズ
――前回の続き。
店員はピッタリと私に張り付き、一つ一つ説明してくれる。
それが仕事なので仕方ないが、私は早く済ませてしまいたくなり、足早に店内を一周した。
そして最初に見た入口付近にあったソファを見ながら、
「これとか、良さそうですけどね」と言った。
それは事実。
それ程大きくなく、シンプルで木枠タイプ。
なかなか素敵だ。
ただ、私はどういうソファを買うかまだ決めていなかった。
何人掛けを何台か?という事まで迷っていた。
今使っているソファは3人掛け。
狭いリビングで堂々と場所を占領するぐらい、圧迫感があるのだが、このソファを夫婦で取り合いになる。
私も夫も行儀よくソファに長時間座るタイプではない。
長くテレビを見る時などは、大抵がダラダラとソファに横になって見る。
となると、3人掛けだと一人しか横になれず、もう一人は端に座るか、床に座るしかない。
そもそも私は以前から疑問だったのだ。
なぜほとんどの家のソファは3人掛けが主流なのだろう?
一人掛けを2台とか、二人掛け2台などのパターンがあってもいいし、むしろその方が使い勝手が良いのでは?
客が来た時にも、3人掛けが1台だと、横に並んで座るのは違和感がある。
現在のインテリアショップの大半は、カウチソファが占めていた。
なるほど、これなら来客時の問題はない。しかしあまり好みではない。
色々と事前にネットで調べた結果、私は
肘無しの3人掛け1台と、肘無しの2人掛け1台を買うのはどうだろう?と思っていた。
ベンチのような形になるが、肘が無い為に最も省スペースでありながら、夫婦でお互いのスペースが取れる。
と、そのような希望をその店員に話してみた。
すると店員は、
「家族構成はどうですか?何人家族ですか?」と聞いてきた。
「夫婦2人です」
すると店員は、笑いながら言った。
「お客様、それなら普通2台は必要ないですよ。2人なら二人掛け1台でもいいですからね」
そうなのか。
店員はその後、私が良さそうだと言った目の前のソファを強く勧めてきた。
これもカウチソファ。
お洒落で素敵だがカウチはカウチ。
あまり魅力は感じない。
結局、何も進展しないまま店を出た。
やっぱり3人掛け1台が無難か……既にそう思い始めている。
よく読まれている記事