インテリアショップの店員
インテリアショップに行った。
土日だと家族連ればかりだと思い、平日の午前中に行った。
自分で決めるのは苦手だが、家具や雑貨を見るのは好きだ。
ただ眺めているだけで楽しい。買わない物でも一つ一つゆっくり見たい。
夫は私のこういう所が嫌で、一緒に来るのが嫌なのだろう。
ダラダラとゆっくり眺めるなんて性に合わないらしく、必要な物だけ確認し、即決めたいらしい。
店に入ると客は誰もおらず、店員がまっすぐ私の方に向かってきた。
しまった。
家族連れを避ける事ばかり考えていたが、店員とマンツーマンになってしまう事を忘れていた。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」
こう聞かれてしまったら、答えるしかない。
「いえ、私は買う予定のない物もダラダラゆっくり見たいんです」とは言えない。
仕方なく「ソファを」と答えた。
すると店員は
「かしこまりました。ご案内致します」と店内をずんずん奥に進んでいった。
着いて行く私。
歩きながら視界に楽しそうな雑貨の存在を感じたが、とても見られる雰囲気ではない。
「こちらがソファエリアです」と案内され、私は一つずつゆっくり見始めた。
すると、まだ2台、3台しか見ていないというのに、横から質問や説明をしてくる。
「レザーがご希望ですか?」
「こちらは高さを抑えたタイプでして、座面は広くとられています」
う~ん、放っておいて欲しい。
返答をする事に気を取られ、目の前のソファが好みかどうか判断出来ない。
――続きます。
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