呼び方
バレンタインチョコを買いに行った。
平日なので空いているかと思ったが、予想外に混み合っていてウンザリした。
知人に会っても私だという事が分からないように、帽子にマスクに眼鏡という、完全防備で行ったのだが怪しすぎてその場から浮いているように感じた。
いつもの事ながらチョコ選びは悩む。
さらに、夫や自分用なら選ぶのも楽しいが、職場への義理チョコなんて選ぶのが苦痛な程。
一つ一つの売り場を見て周ると、年々チョコが美しくなっている……と感心した。
まるで芸術作品。
特に最近は女性向きというか、可愛いデザインのものが増え、食べるのが勿体ない程。
私はある売り場で立ち止まっていた。
買うつもりはなかったが、美しいチョコは眺めているだけで目の保養になる。
するとその場に立っていた店員にチョコを差し出された。
「奥さん、一口味見にいかがですか?」
思いっきり違和感!
こんな場所で「奥さん」と呼ばれた事に。
スーパーの魚売り場などで「奥さん」と声をかけられたのなら分かる。
だがここは百貨店のバレンタインフェア会場。
買い物に来ている女性の年齢層は幅広く、ここは「奥さん」と言うより「お客様」と声をかける方が自然ではないか?
それとも私の見た目が、いかにも主婦だったのだろうか。
この怪しい恰好が、ついそう呼ばせてしまったのか。
それにしても思った。
私は本当に「奥さん」だったからいい。
しかし中年女性全てが奥さんではない訳で、独身女性もいるはずだ。
そんな人が「奥さん」と呼ばれればもっと違和感があるに違いない。
さらに思い出した。
私が近所の主婦と話す時、「今日はお父さんは仕事?」と聞かれる。
この「お父さん」とは父親という意味ではなく、私の夫の事を言っている。
きっと、子供がいる人同士の会話では、夫の事を「お宅のお父さん、うちのパパ」みたいな呼び方をしているのだろう。
だから私にも夫の事を聞く時、「あなたの家のお父さんは?」という言い方をする。
これにも未だに慣れる事はない。
そのうち周囲の人達に孫が出来る年齢になれば、私の夫の事を「今日はお祖父ちゃんはどこへ?」なんて聞かれるのだろう。
この先も馴染めそうにない、その呼び方。
こんな場所で「奥さん」と呼ばれた事に。
スーパーの魚売り場などで「奥さん」と声をかけられたのなら分かる。
だがここは百貨店のバレンタインフェア会場。
買い物に来ている女性の年齢層は幅広く、ここは「奥さん」と言うより「お客様」と声をかける方が自然ではないか?
それとも私の見た目が、いかにも主婦だったのだろうか。
この怪しい恰好が、ついそう呼ばせてしまったのか。
それにしても思った。
私は本当に「奥さん」だったからいい。
しかし中年女性全てが奥さんではない訳で、独身女性もいるはずだ。
そんな人が「奥さん」と呼ばれればもっと違和感があるに違いない。
さらに思い出した。
私が近所の主婦と話す時、「今日はお父さんは仕事?」と聞かれる。
この「お父さん」とは父親という意味ではなく、私の夫の事を言っている。
きっと、子供がいる人同士の会話では、夫の事を「お宅のお父さん、うちのパパ」みたいな呼び方をしているのだろう。
だから私にも夫の事を聞く時、「あなたの家のお父さんは?」という言い方をする。
これにも未だに慣れる事はない。
そのうち周囲の人達に孫が出来る年齢になれば、私の夫の事を「今日はお祖父ちゃんはどこへ?」なんて聞かれるのだろう。
この先も馴染めそうにない、その呼び方。
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