空回り
大雪の日。
窓から外を見ると、近所の男の子が自宅の門の前で立ち尽くしていた。
家を見上げたり、スマホを見たり、キョロキョロと辺りを見渡したり。
動きがおかしい。
何をしているのだろう?
その様子が気になり、私はしばらく窓からその姿を見ていた。
そうしているうちにも雪はどんどん降り積もり、傘を持たないその男子の肩も白くなってきた。
いつまで経っても家の中に入ろうとしないその男子。
あれはきっと鍵を持っていないのではないか?家の中にも誰もおらず、家に入る術がなく困っているのではないか?
以前も別の家の子供で同じような事があった。
その女の子は玄関のポーチで長時間座り込んでいた。
子供が苦手な私だが勇気を出して声をかけ、「待っている間うちに来る?」と聞いてみたが、「結構です」とあっさり断られた。
それもそうだろう。
普段全く交流のない近所のおばさんの家に行くぐらいなら、自分の家のポーチで待っていた方が気楽だと思う。
それが記憶にあった為、今回その男子を見た時も、声をかけるべきか迷った。
わざわざ私が家から飛び出して声をかけるなんて、大袈裟じゃないだろうか?
少年というより、青年に見えるその男子。お節介がウザイんじゃないかとも思った。
その男子の家は最近にしては珍しく外構の塀が高い。門に鍵がかかっているらしく、玄関ポーチにまで行く事さえ出来ない様子だった。
気になりながらも何も出来ず、私は窓のカーテンの隙間からずっと見ていた。
するとその男子、背負っていたリュックを頭に乗せ、そのまま門の前にしゃがみ込んだ。
え⁉そのままそこで待つつもり?
その様子はあまりにも辛すぎる。横降りする雪が男子の姿をかき消す程だ。
私は我慢出来ず家を飛び出した。
その男子に近付き、緊張でドキドキした。子供に声をかけるのが本当に苦手なのだ。
「どうしたの?お母さんは?鍵がないの?」
そう聞くと、思った通り家族との行き違いで鍵を持っていないらしい。
「良かったらおばさんの家で待たない?すぐそこの家だから」と、私は斜め前の家を指差した。日頃目も合わした事がないので、どこのおばさんなのか彼には分からないだろうと思った。
「大丈夫です。ここで待ちます」
え?でも、かなりの吹雪だ。こうして会話している間にも、男子も私もびしょ濡れ。
大人としてここはもっと強引に家に誘うべきかと迷ったが、それ以上余計な事はやめた。
「じゃあ、これ使って」と、私が傘を差し出すと、それさえも「大丈夫です」と言い、受け取らない。さすがにそれは見ていられないので、半ば強引に彼に渡して私は家に戻った。
そしてまた窓からその様子を覗いてみると……
私の渡した傘を使っていない!どうして?
本当に余計なお世話だったのか。理解出来ない……。
その後、親が帰宅したようで無事に彼は家に入っていった。
しかしやはり子供との関わり方が分からない。
私が緊張しながら声をかけるものだから、子供も構えてしまうに違いない。子育てをしてきた親なら、こんな時もっと上手く楽に声をかけられるのだろう。
空回りな自分が恥ずかしい。
私は我慢出来ず家を飛び出した。
その男子に近付き、緊張でドキドキした。子供に声をかけるのが本当に苦手なのだ。
「どうしたの?お母さんは?鍵がないの?」
そう聞くと、思った通り家族との行き違いで鍵を持っていないらしい。
「良かったらおばさんの家で待たない?すぐそこの家だから」と、私は斜め前の家を指差した。日頃目も合わした事がないので、どこのおばさんなのか彼には分からないだろうと思った。
「大丈夫です。ここで待ちます」
え?でも、かなりの吹雪だ。こうして会話している間にも、男子も私もびしょ濡れ。
大人としてここはもっと強引に家に誘うべきかと迷ったが、それ以上余計な事はやめた。
「じゃあ、これ使って」と、私が傘を差し出すと、それさえも「大丈夫です」と言い、受け取らない。さすがにそれは見ていられないので、半ば強引に彼に渡して私は家に戻った。
そしてまた窓からその様子を覗いてみると……
私の渡した傘を使っていない!どうして?
本当に余計なお世話だったのか。理解出来ない……。
その後、親が帰宅したようで無事に彼は家に入っていった。
しかしやはり子供との関わり方が分からない。
私が緊張しながら声をかけるものだから、子供も構えてしまうに違いない。子育てをしてきた親なら、こんな時もっと上手く楽に声をかけられるのだろう。
空回りな自分が恥ずかしい。
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