後悔
しまった。
要らぬことを言ってしまったと後悔している。
実家の母が用事に付き合ってほしいと言う為、会う事となった。
最近また母の言葉を重く感じる事が続いていた為、会うのが億劫だが仕方がない。
その日の母はいつもにも増して情緒不安定に見えた。
とにかく話し続ける。私が口をはさむ隙がないぐらい、休む間もなく話し続けた。
体調の事、友人の事、親戚の事、老後の事、そして私の事。
それ以外の話は淡々と聞き流せるが、私の話になると、「それは余計なお世話だから!」と内心イライラしてくる。
だがこれも親孝行、黙って聞き流そう、そう思い私は静かに相槌を打っていた。
すると母は突然、自分と自分の母親の話をし始めた。
少し前に亡くなった、私の祖母の話。
母は祖母に優しくされた事がなかったと言う。
いつも祖母は母を認める事がなく、母はずっとその事が自分を苦しめてきたと言った。
祖母は自分の満足しか考えておらず、目に見えたものだけを評価する。成績が良いから自慢の娘、美人だから自慢の娘、良縁に恵まれたから自慢の娘……そこから外れた私の母は祖母にとって残念な娘だったらしい。
「ずっとずっと頭の中にそれがあったわ。私と母は最期まで母娘になりきれなかった。それが悔やまれるの」
母は過去の辛かった思いを吐き出すように言った。
母は昔の細かい出来事の一つ一つを私に話し続けた。母がいかに自分が苦労した娘だったかを私に理解して欲しいようだった。
だが私は母を可哀想なんて全く思えなかった。今の私が母と同じ状況だから。
私は母に言った。
私も同じ気持ち、悩みをずっと持っていると。
心療内科で相談している中心には母との関係が大きくあると。
愛情不足の母に育てられた娘は、やはり愛情不足になる、アダルトチルドレンの連鎖だと。
母は「違う、違う」という風に頭を振った。
だが私は続けた。
祖母が亡くなり、母が喪失感で今悔やんでいるように、私もきっと同じようになると思うと。
母親が憎いのではい。ただ解放されたいだけ。だが未解決のまま亡くなってしまった母親との関係は永遠に解決されないのだと。
母は私の話に全く納得出来ない様子で、「そうじゃない、そうじゃない」といつまでも否定していた。
言ってしまった。
帰宅後、私は後悔でいっぱいだった。
母は否定していたが、きっと今頃傷ついて落ち込んでいるに違いない。
年老いた母にこれ以上何を求めているのか?自分の辛さを母にこれ以上ぶつけたところでどうなるのか?
何を言ったところで、後には後悔しか残らないのだと感じた。
私は母に言った。
私も同じ気持ち、悩みをずっと持っていると。
心療内科で相談している中心には母との関係が大きくあると。
愛情不足の母に育てられた娘は、やはり愛情不足になる、アダルトチルドレンの連鎖だと。
母は「違う、違う」という風に頭を振った。
だが私は続けた。
祖母が亡くなり、母が喪失感で今悔やんでいるように、私もきっと同じようになると思うと。
母親が憎いのではい。ただ解放されたいだけ。だが未解決のまま亡くなってしまった母親との関係は永遠に解決されないのだと。
母は私の話に全く納得出来ない様子で、「そうじゃない、そうじゃない」といつまでも否定していた。
言ってしまった。
帰宅後、私は後悔でいっぱいだった。
母は否定していたが、きっと今頃傷ついて落ち込んでいるに違いない。
年老いた母にこれ以上何を求めているのか?自分の辛さを母にこれ以上ぶつけたところでどうなるのか?
何を言ったところで、後には後悔しか残らないのだと感じた。
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