みんなちがってみんないい





近所に若い夫婦が引っ越してきた。

元々その家には老夫婦二人が住んでいたのだが、引越しの為に売りに出されたところ、新たに入居したのがその若夫婦、とその赤ちゃん。

老人二人が住んでいた時には、そのお宅は静かな家という印象だった。
時々奥さんを見かける事はあったが、ゆっくりした動きで耳も遠いらしく、自分から話している姿をほとんど見た事がない。そんな老夫婦だったので、近所の人達もどこか気遣い、彼らにはあまり煩い事は言わないでそっとしておいてあげよう、そんな雰囲気だった。

なのでもちろんその老夫婦はこの十数年、近所の行事には出た事もないし、役員もやった事はない。それでも誰も文句を言う者はいなかった。

子育て世代が多い中で、そういう別世代の人もいるというのは、私の中で救いだった。
色んな立場、色んな家庭がいる環境で住んだ方がずっと楽だ。
皆が同じ方向を向かなくてはいけない場所ほど辛いものはない。

だが老夫婦がいなくなってしまい、私は同世代の人がまた増えるのではないかと内心気持ちが重かった。

それが、引越しして来たのは同世代どころか、20歳ほど年下の若い夫婦だ。
私は同世代よりは良かった……と少しホッとした。

だがしばらくすると、黙っていなかったのが近所の主婦達。


「あの若い夫婦、全く交流する気ないわよね?」
「会っても軽く会釈するだけで、話そうとしないし」
「それよりも子供の声、うるさくない?」
「来年は絶対役員やってもらうわよ」

朝ゴミを捨てに行くと、古株の主婦達がそんな会話を繰り広げていた。

「あ、ころりさん、おはよう。ねぇ、どう思う?あの若夫婦、感じ悪いわよね?」

早速私にも話を振られた。

「……どうかな。ほとんど会わないから……」と私は濁した。

いつもの井戸端会議、女性特有の悪口。
相変わらずで嫌になるが、でも確かに彼女達の言う通り、その若夫婦は全く周囲に馴染もうとしている雰囲気はなかった。あれでは近所の主婦に悪口を言われるのは目に見えていた。

しかし私も人の事が言えない。未だに馴染めているとは言えないから。

何十年経っても変わらないその主婦達の井戸端会議を見ていると、常にターゲットが変わるだけで、こういうのは永遠に続くのだろうかと思う。女が集まればどうして群れなくてはいけないのだろう?

「みんなちがって、みんないい。」

ふと金子みすゞさんの詩を思い出した。




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Posted byころり
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