痛み
腹の痛みで目が覚めた。
時計を見たら朝8時半。
未だに朝が苦手な私は、仕事の日でない限り、昼前まで寝てしまう事が多い。深く眠っていなくても、カーテンを閉めて毛布の中で現実逃避する毎日。
だがこの日はその痛みのせいで、現実逃避する事が出来なかった。
私は海老のように毛布の中で丸まり、ジっと耐えた。夫は仕事でいない。
夏冷えしたのかもしれない。しばらく温めて眠れば治るかも。
そうして我慢しているうちに眠ってしまい、目覚めた時には本当に治っていた。
良かった。やはり少し冷えていたのだろう。
私はそう思い、昼食も普通に食べた。
その後は洗濯をしたり簡単に掃除をしたり。あとはネットをしながらダラダラ。
そして夕日が沈む頃、その痛みは再びきた。
痛い!朝のそれより更に強く痛い!
ソファで蹲っていたが収まる様子もなく、脂汗とめまい、吐き気がしてきた。
熱中症とかではない。リビングはエアコンを入れて快適温度で過ごしていた。
トイレで胃腸の中のものを排出すれば治るかもと、頑張って座ってみたが、全く何も出てくる気配がない。
それよりも今までに体験した事のない強い痛みで、手を握りしめて耐えたが、うぅっ!と唸り声が漏れてしまう程辛い。
夫に電話しようか?
咄嗟にそう思ったが、夫は仕事で、その上その日は出張で翌日まで戻らない予定だった。電話してもどうしようもない。
救急車を呼ぶ?
次にそれを悩んだ。だがそこまで重症なのか?と自問自答。
そして何より、救急車が来た時の近所の人達の顔が目に浮かんだ。絶対に玄関から飛び出してきて、「何事⁉」と大騒ぎになるだろう。その噂の中心となるなんて……気が重い。
私は自分で病院に行こうと思った。
大丈夫、頑張れば何とかなる。自分に言い聞かせた。
―――続きます。
熱中症とかではない。リビングはエアコンを入れて快適温度で過ごしていた。
トイレで胃腸の中のものを排出すれば治るかもと、頑張って座ってみたが、全く何も出てくる気配がない。
それよりも今までに体験した事のない強い痛みで、手を握りしめて耐えたが、うぅっ!と唸り声が漏れてしまう程辛い。
夫に電話しようか?
咄嗟にそう思ったが、夫は仕事で、その上その日は出張で翌日まで戻らない予定だった。電話してもどうしようもない。
救急車を呼ぶ?
次にそれを悩んだ。だがそこまで重症なのか?と自問自答。
そして何より、救急車が来た時の近所の人達の顔が目に浮かんだ。絶対に玄関から飛び出してきて、「何事⁉」と大騒ぎになるだろう。その噂の中心となるなんて……気が重い。
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大丈夫、頑張れば何とかなる。自分に言い聞かせた。
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