自分で髪を切った
髪を切った。それがなんと自分でである。
そろそろ美容院に行かなくてはと、ずっと気になっていた。
もともと節約の為に年に3~4回ほどしか行かないが、行く時はいつも決まって同じ美容院だった。
もう20年以上もその美容院に通い続けているのだから驚きだ。
しかし、美容院を変えるというのは勇気がいる。
腕はいいのか?価格は手頃なのか?そして何より美容師達の雰囲気は?色々気になって、結局今の美容院から動けなかった。
それがある日、オーナーが変わり私の担当もいなくなっていた。
仕方なく私は自己紹介されたその新人の若者に頭を預けた。
この若者が、しゃべるしゃべる。
「それでッスねー、この前あそこに行ったんッスよー」と、ひたすら話し続ける。
もっと言葉遣い勉強しろよと内心苦笑した。
だが、私はどの美容師が相手でもそうだが、相手が楽しそうに話してくれる方が気が楽だ。
沈黙だと、「この客って会話できないヤツだな」とか、「この客で楽しくなくてハズレだ」と思われていないだろうか?と気になってくる。
かといって、「お仕事は?お子様は?最近どこか行きました?毎日何してます?」
こんな質問攻めの美容師は苦手た。こっちにネタがないから。
それで結局、沈黙でも質問攻めでも、こちらが気を遣い必死に話題を作るハメになる。
なぜか相手を楽しくさせなくてはならない気分になってしまう。
金を払ってなぜそこまで気を遣わねばならないのだ、と自分でもバカだと思うが、相手の顔色が気になってしまうのだから仕方がない。
その点、今回の若者は自分の話ばかりする子だったので気が楽だった。
だが、次の瞬間、急に若者が客の話をし始めた。
「話のノリのいい人って、やっぱり楽なんッスよー」
「時々何言っても愛想のない人っているっしょ?あれダメ、どうして会話を楽しめないのかねー?」
そして手を止め、私の顔を見ながらニヤニヤと笑い「暗い人も苦手」と言った。
え?ウソ、私の事?瞬間的にそう思った。
自分では精一杯相手に合わせて明るく振る舞っているつもりだったのに、やはり性格は隠しきれないのか?
客を相手にそんな事を言う若者に腹が立つより、自分がどう頑張っても暗い人にしか見えない事にがっかりした。
もしかして私の被害妄想で、その若者も直接私に言ったつもりはないのかもしれないが、なんとなくそれ以来その美容院に行く気が失せた。
その後、別の美容院に一度行ってみたが、ここは商品の売り込みがすごくて二度と行く気になれなかった。
そうして何か月が過ぎてしまい、次の美容院をどこにしようか迷っているうちに、ついに我慢の限界に達し、
「えーい、自分で切ってしまえ!」となったのである。
そして今、さらにボサボサになってしまった頭を抱え、無謀な行動に出たことを後悔している。
これじゃ恥ずかしくて伸びるまでどこの美容院にも行けない。
だが、次の瞬間、急に若者が客の話をし始めた。
「話のノリのいい人って、やっぱり楽なんッスよー」
「時々何言っても愛想のない人っているっしょ?あれダメ、どうして会話を楽しめないのかねー?」
そして手を止め、私の顔を見ながらニヤニヤと笑い「暗い人も苦手」と言った。
え?ウソ、私の事?瞬間的にそう思った。
自分では精一杯相手に合わせて明るく振る舞っているつもりだったのに、やはり性格は隠しきれないのか?
客を相手にそんな事を言う若者に腹が立つより、自分がどう頑張っても暗い人にしか見えない事にがっかりした。
もしかして私の被害妄想で、その若者も直接私に言ったつもりはないのかもしれないが、なんとなくそれ以来その美容院に行く気が失せた。
その後、別の美容院に一度行ってみたが、ここは商品の売り込みがすごくて二度と行く気になれなかった。
そうして何か月が過ぎてしまい、次の美容院をどこにしようか迷っているうちに、ついに我慢の限界に達し、
「えーい、自分で切ってしまえ!」となったのである。
そして今、さらにボサボサになってしまった頭を抱え、無謀な行動に出たことを後悔している。
これじゃ恥ずかしくて伸びるまでどこの美容院にも行けない。
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