隣の娘





母から頻繁に電話が来る。

「どう?元気にしてる?」

そう聞かれて私は、「1週間前に話したばかりなのに……」とため息をつく。

母の中では1週間は「久しぶり」で、私にとっては「つい先日」だ。

どうしても電話に出たくない時には居留守を使うし、会いたくない時には用があると嘘をつく。こんな関係で何年も過ぎた。

母は日頃から「子供によりかかる親にはなりたくない」と言う。

今でも母は私に一言も「会いに来なさい」とか「電話をしてきなさい」などと言わない。

だが言う。

「隣の娘。頻繁に実家に帰って来ているわ。奥さんが言うには、ほとんど隔日ぐらいのペースで顔を出してるらしいわよ。親が気になるのでしょうね」

重い。
何を意図してそんな事私に言うの?

「奥さんが言うには、やっぱり夫より娘の方が何でも話せるって。何でも包み隠さず娘も話すらしくて、仲がいいみたい」



何なのよ一体……。

私にも同じようにして欲しいなら、いっそストレートにそう言えばいいのに。

「奥さんが言うには」という言葉を使わないと自分の気持ちを言えない母。
母自身、自分がそれを望んでいる事に気付いていないようにも思う。

だがそれを話す母から伝わってくる。
隣人に娘と仲が良い様子を聞き、羨ましかったのだと。自分は寂しかったのだと。

私はその気持ちに応えてあげられない。

「ふーん」

興味のないフリをしてそう返すのが精一杯。

こんな繰り返しで増々母に会うのが億劫になる。

次は何を言われるだろう?
次はどんな事で傷つくだろう?

私と母の心の距離は縮まりそうにない。




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Posted byころり
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