検診
乳がん検診と子宮がん検診に行ってきた。
病院は苦手だ。鬱病の前後あたりから、特に病院に行くのが苦痛になった。
身体に症状が現れてしまうから困る。手が震えたり、汗が止まらなかったり、過呼吸になってしまったり。
また、その症状を他人に悟られてはいけないと思うから、思えば思う程その症状が悪化するという悪循環。
そんな事もあり、検診というものはつい先延ばしにしてしまっていた。
しかし年齢的にも検診はスルー出来ない。
中には、40代50代になっても全く検診に行った事がないと言う人に出会う事もあるが、時々芸能人や周囲の人が癌になったという話を聞くと、やはり行かねばならぬ気がしてくる。
そんなに長生きしたいのか?と聞かれればそうでもないのだが、末期だと宣告されるのが怖い、ただそれだけ。
そこの病院は乳がん検診と子宮がん検診を一日で済ませられるので思い切って予約した。
待合室はお腹の大きな妊婦が溢れ返り、こんな中年女がいる場所ではないような気がして居心地が悪かった。
小さな子供を連れた母親も多く、キャーという子供のはしゃぐ声が待合に響き渡る。
私は長椅子の隅に静かに腰をかけて待った。周囲を気にする事よりも、緊張のあまり手の震えや吐き気を抑えるのが辛い。
こんな時、やはり私は精神的に病んでいるのだろうと思えてくる。以前はこんな人間じゃなかったのに……と。
しばらくして看護師に名前を呼ばれた。
まずは子宮がん検診から。
――続きます。
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