11日の孤独
いつもの夜。眠れない夜に録画していた映画を観た。
「ワールド・トレード・センター」
これは誰もが知る実話を元にした映画だから、ストーリー自体には驚きもないし、正直なところ感動しない。どちらかというと現実を再確認する映画というか。私はただ静かに観た。
アメリカ映画らしく、家族の絆が感動的に描かれている。
生き埋めになった警官二人が家族の事を語り合う。その間、彼らを心配し待っている家族達の様子が映し出され、生存が確認されたと知らされた時には集まった家族、友人達で喜び合う。いかにもアメリカ映画らしい。
私はその家族のシーンを見て、「家族」とか「仲間」というものが自分には無いと改めて感じた。
今唯一、家族だと思えるのは夫。
最近、夫の体調が悪い時がある。そんな時、夫の事がとても心配だが、その延長線上には自分の事を心配している私がいる。
もし夫がいなくなったら?
そんな不安は以前からずっと持ち続いているが、この映画を観ていて更に思ったのが、一緒に想いを分かち合う人がいない、という事。
寂しい、悲しい、辛い、
嬉しい、良かった、会いたい、
同じ人の事を同じように想い、気持ちを分かち合える人、それがいない。
私が夫を失って悲しむ時、きっと一人。
夫が私を失って悲しむ時も、多分一人。
それがとても辛い事に思えた。
人との付き合いが嫌いで、心から分かり合える人なんていないと思っているのに。
こんな風に人を避けてばかりいるから、いつの日か辛い現実を一人きりで受け取める事になるのだろう。
映画を観た翌日、テレビでは東日本大震災の話題でいっぱいだった。
そうか、もうそんな日だったのか。
9.11も3.11も、その話題で感じるのはやはり人と人の繋がり。残された人の想い。
それを見ていると更に孤独感が強くなる。
命があるのにこんな事を考える私の心は自己中心でしかない。
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