生涯の友人
この年末年始、久々にどっぷりと気分が落ち込んだ。
それは実家の母からの電話が原因。
今から思うと大した内容ではないのだが、その事を言われたタイミングが悪かったのか、私は吐き気がする程心の中が重くなった。
母は最近古い友人と付き合いが復活したらしい。
私と違い、常に誰かと関わっていたい母の周りには友人が多い。
母の友人の名前を上げれば数えきれない程で、私が会った事もない話に聞くだけの名前も多く、一体どこで知り合ったのか?と不思議な程。
そんな中、先日の電話で母は「ずっと疎遠だった人と最近頻繁に会っている」と話し始めた。
そして、「やっぱりたくさん友人がいても、昔からの友人が一番。リラックスして本音で話せるわ」と言った。
それは言えているかも。私は「そうかもね」と答えた。
すると母は、「ころりも昔の友人を大切にしなきゃ。それには優子ちゃんがピッタリだと思うわ」と言った。
以前の記事でも書いたが、優子というのは私の幼馴染で、もう何年も会っていない。
「優子ちゃんとなら、ころりの生涯の友人として長く付き合っていけると思うの」と母は続けた。
また始まった……私は瞬間にして気が重くなった。
こういう母の押し付けが嫌いだ。
私が「ずっと会っていないし、わざわざ連絡するのも疲れるわ」と言うと、母の何かのスイッチが入ったようで、
「そんな事言ってちゃダメ!老後に女友達がいないって、どういう事か分かってる⁉物凄く孤独よ!」と興奮気味に言った。
更に、「知人で、いつも体調が悪いって愚痴ばかり言っている人がいるんだけど、ああいう人に限って昔から友達付き合いをしない人なのよ。私の周囲の人なんて、積極的に人付き合いをしているから皆元気よ」と捲し立てた。
母の持論としては、日頃から友人と付き合いをしている人はお互いにパワーを与えあい支え合えるから、結果的に健康に繋がると。孤独に暮らす人は不健康になり愚痴ばかりになると。
「だから、ころりも今から友人付き合いを大切にしておかなきゃ」と強く言われた。
母にこういう事を言われる事が、どれ程私を落ち込ませるか、負担を感じてしまうか分かってもらえない。
私も母に対して、「友人が欲しくても出来ない」と正直に言った事はない。
もし言ったところで、母なりの押し付けの強いアドバイスを聞かされるだけだろう。
それに最近は、自然と友人が出来るなら嬉しいが、そうでないなら無理しなくてもいい……と思っていたのに。
――続きます。
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